
日本人とスンバ島の人たちによるポンプ開発
特定非営利活動法人地球の友と歩む会(以下、LIFE、事務局:東京都千代田区、理事長:横山計三)は、インドネシアのスンバ島という国の開発から取り残された離島で農業分野をメインに貧困問題に取り組んでいます。現地では水へのアクセスが困難で住民は毎日何度も水を汲みに行かなくてはなりません。子どもたちは水汲みの疲れや空腹で学校を休みがちで学力が伸びません。また、川は谷を流れているので、水を畑まで持ち運ぶことが重労働で農業も普及していません。このようなスンバ島の水問題を解決すべく私たちは川の流れる力だけで水を汲み上げるポンプを開発してきました。
ポンプ開発の背景

川からバケツで水をくむ農家水は重くて持ち運ぶのは重労働です。

手作業で畑に水やり人力のためたくさんの水を使えず、畑を広げることができません。したがって、収量も増えず現金収入も増えません。
灌漑設備の整っていないスンバ島で農業をするには雨季の雨水に頼るしかありません。しかし、1年で雨が降る時期は3ヶ月程度で、乾季には雨が全く降らなくなります。川は流れているものの、人力で水を持ち運ぶのはとても重労働です。そのため、川の水のほとんどは農業には使われずそのまま海に流れ出てしまいます。私たちは、この川の水をなんとかくみ上げて農業に使えるようにしたいと2015年より水をくみ上げる方法を考えてきました。
LIFEのこれまでのポンプ開発
ポンプ開発の経緯についてはこちらをご覧ください
ポンプ開発の流れ
スンバ島の村にはない電気や燃料は使わず、また島の外から材料を仕入れる必要がなく、島の中にあるものだけでポンプを作ることを目指しました。また、壊れたら放置されてしまわないよう、組み立ても修理も村の人たち自身でできる構造にこだわりました。
開発にはニュージーランドから当論文執筆者であるロハンさんとエバレットさんが加わり、ポンプの理論的検討を実施しました。ポンプの製作と試験は、芝浦工業大学や東京理科大学の学生、LIFE会員有志が行いました。
ポンプ開発の結果

2024年9月のスンバ島での実験
2024年9月に開催したスンバ島ポンプ開発ツアーでは実際に現地へ行き、スンバ島の人たちとポンプの組み立てや実験を行いました。ポンプは川に置いた瞬間に水をくみ上げはじめ、実験は成功しました。現地での組み立てや測定などの実験は、ツアーに参加した芝浦工業大学や中央大学、慶応義塾大学の学生、LIFE会員有志が行いました。
https://www.youtube.com/watch?v=f2yOUdMiguM
現在のポンプ
現在、このポンプを設置した村では雨が全く降らない乾季でも野菜作りを行うことができています。現金収入を得る手段がほとんどない村の人たちも野菜を売って現金を得ることができるようになりました。また、野菜を購入する必要がなくなったため、子どもの教育費などその他のことにお金を使うこともできるようになっています。

雨が全く降らない8月に野菜作りをする村人
学会誌への掲載

そして、私たちがスンバ島に設置したポンプが、日本太陽エネルギー学会の学会誌に掲載され、私たちが長年スンバ島の水問題に取り組んできた一連の活動を発表することができました。論文の執筆者は、横山計三(LIFE理事長)、ロハン・ドスザ氏、ベンジャミン・エバレット氏です。
当論文はこれまでの開発の結果をまとめたものです。下のボタンから内容をご覧ください。
掲載論文「河川利用スパイラルポンプによる給水施設の開発」
当論文はこちらよりご覧ください
今後の課題
ただ、このポンプは重量が重いなどまだ課題を抱えています。スンバ島の川は谷底を流れているので、重いと下まで持っていくのが困難です。このような課題を解決するには開発を継続し、村の人たちが使いやすいポンプに改良する必要があります。私たちはこれからもスンバ島の人たちが水を使って野菜作りや果樹栽培などができるようになることを目指して、支援を続けてまいります。どうぞご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。