特集

Bizタワー連動企画「灯る赤坂」第2回 「陶香堂」と「赤坂秋まつり」がつなぐ、赤坂のあたたかさ

「赤坂Bizタワー SHOPS&DINING」の公式Instagramと赤坂経済新聞が、赤坂の店や人に息づくあたたかさを紹介する共同企画「灯る赤坂 ~人のあたたかさが、そっと息づく街~」

第2弾の今回は、1936(昭和11)年創業の和食器専門店「陶香堂」と、赤坂の飲食店などが集結する「赤坂秋まつり」を特集します。

陶香堂が大切にしてきた器選びへのこだわりや、3代目社長・吉岡聰一郎さんの赤坂への思いを伺うとともに、吉岡さんが実行委員長を務める「赤坂秋まつり」の魅力を紹介します。

作家名やブランドにとらわれない器選び「陶香堂」

 
店舗外観

 

――まず、「陶香堂」の成り立ちについて教えてください。

吉岡聰一郎社長(以下、吉岡さん):全国各地の和食器を扱う専門店です。1936(昭和11)年、富山県出身の祖父・澄雄が青山で創業し、戦後に赤坂へ移転しました。今年で創業90年になります。

祖父はもともと美術や書道が好きで、「自分が良いと思ったものを多くの人と共有したい」という思いから、器の商いを始めたそうです。当初は京都の清水焼を中心に扱っていましたが、お客さまの要望に応える中で、有田焼をはじめ全国各地の器をそろえるようになりました。

 
店内の様子


――「陶香堂」ならではの魅力や、器を選ぶ際のこだわりを教えてください。

吉岡さん:創業当時から大切にしているのは、有名な作家の名前やブランドではなく、器そのものを見て選ぶことです。名前が知られた作家のものは、その名前によって価格が決まってしまうこともあります。それが必ずしもお客さまのためになるとは限らない、という考えが祖父にはありました。

そのため、一般の窯元で職人が作った器の中から、自分たちが良いと思ったものを選んでいます。高価なものだけではなく、家庭で普段使いできる器も多くそろえています。

私自身が仕入れで心がけているのは、「自分本位にならない」こと。自分が好きな器だけを選ぶのではなく、お客さまや街の人との日々の会話から、どのような器が暮らしにあったら楽しいかを考えています。気に入った器を一つ、二つと食卓に加えることで、同じ料理でも見え方が変わり、少し気持ちが豊かになる。そんな器の楽しさを伝えていきたいです。特に和食器には和洋食問わず、料理を引き立たせてくれる効果があります。同じ料理でも器で印象が変わることも楽しんでいただければと思っています。

 
全国各地の窯元から選りすぐった器が並ぶ店内

 

――これまで吉岡さんは、赤坂の街とはどのように関わってきましたか?

吉岡さん:私は赤坂で生まれ育ちました。子どもの頃は、赤坂の街中に大小合わせて100軒ほどの料亭があり、夜になると「あの器が足りない」「グラスがない」と電話がかかってきました。従業員がひっきりなしに届けに行く姿を見ていたのを覚えています。陶香堂も、器を通して赤坂の料亭文化の一端を担ってきたのではないかと思います。現在も、多くの飲食店に器を届けています。

私は現在、「赤坂一ツ木通り商店街振興組合」の理事長を務めています。当初は将来的に担う役割だと考えていましたが、担い手が少なくなる中、今の自分にできることがあればと思い、引き受けました。自分の商売にももっと力を入れなければならないという思いはありますが、生まれ育った街ですから、少しでも恩返しができればと思い、街の行事や活動に関わっています。

 
南部鉄器に清水焼の蓋を組み合わせた急須と、清水焼の湯飲み

 

――吉岡さんご自身にとって、赤坂はどんな街ですか? これからどんな街であってほしいですか?

吉岡さん:一言で表すなら、「流行と伝統が同居する街」です。ずっと心に残っているのが、赤坂の先輩が使っていた「流行と伝統が出会う街、赤坂」という言葉。時代とともに街の姿は変わっていますが、今も新しいものと昔から受け継がれてきたものが同居しています。そうした不易流行の街の文化を、これからも大切にしていきたいと思っています。

赤坂は名前こそ広く知られていますが、渋谷や新宿と比べると、実は小さな範囲に人や店が凝縮した街です。華やかなイメージがある一方、人同士の距離が近く、下町のような気質もあります。赤坂氷川神社も好きですし、一ツ木通りを眺めると、「ここが自分の地元なんだ」と感じます。

赤坂には、町会や商店会をはじめ、多くの組織があります。「一ツ木」という名前のように、何か一つの目印に向かって、皆が一本の木のようにまとまり、新しい動きを起こせる街になればいいですね。

 

街の人がつくる「赤坂秋まつり」

 
昨年の会場の様子

 

――今年は9月11日・12日に開催される「赤坂秋まつり」ですが、どのように始まったイベントなのか教えてください。

吉岡さん:もともとは、2009(平成21)年に始まった「スイング赤坂」という音楽イベントでした。街のさまざまな場所にステージを設け、ジャズを中心に演奏を楽しんでもらっていました。

一ツ木通りの車道を使った出店もあり、地元の人たちが焼きそばやフランクフルトなどを販売していました。音楽を聴きながら、街の人たちによる手作りの味を楽しんでもらうイベントとして、10年ほど続けていました。

 
ステージで挨拶する吉岡さん(昨年の様子)

 

――現在の「赤坂秋まつり」の形になるまで、どのように変化してきましたか?

吉岡さん:「スイング赤坂」を続ける中で、イベントの方向性を見直そうという話が出てきました。一方で、地元の飲食店が中心となって夏に開いていた「赤坂おもてなしビアガーデン」もありました。

そこで2019(令和元)年、この二つのイベントを組み合わせ、飲食店を主役にした現在の「赤坂秋まつり」として新たにスタートしました。飲食店が一ツ木通りに出店するほか、会場に設けたステージでは、音楽やダンスなどのパフォーマンスを行います。

初年度は、多くの来場者でにぎわいました。その後、コロナ禍による中断を経て、2022(令和4)年に再開。会場も一ツ木通りから赤坂Bizタワー前まで広がり、現在は約50店が参加する規模になっています。

 
一ツ木通りに設置したステージ(昨年の様子)

 

――「赤坂秋まつり」ならではの魅力と、実行委員長として祭りに込めている思いを教えてください。

吉岡さん:赤坂の飲食店の料理や酒を、街中で一度に楽しめることが一番の魅力です。金曜は赤坂で働く皆さん、土曜は子どもや家族連れにも楽しんでもらえるよう、金曜と土曜の2日間の開催にしています。昨年は延べ1万人以上の方にお越しいただきました。

開催時期は「赤坂氷川祭」に合わせています。今年は、金曜の宵宮で神輿と山車が街をにぎわせ、土曜には子ども神輿、日曜には宮神輿と山車の巡行が行われます。「赤坂氷川祭」の神賑わいと「赤坂秋まつり」の町賑わいが重なるこの時期が、赤坂にとって一年でもっとも熱くなる期間になればと思っています。

赤坂で働く方も、地域にお住まいの方も、ぜひ街を巡りながら、この3日間ならではの賑わいを楽しんでいただけたらうれしいです。

 
宵宮巡行(昨年の様子)

――吉岡さん、ありがとうございました!

 

約50店が集まる、赤坂の“あたたかさ”

今回は、和食器専門店「陶香堂」と、街の人たちが力を合わせてつくる「赤坂秋まつり」をご紹介しました。皆さんは、どんな「あたたかさ」を感じましたか?

陶香堂の3代目社長・吉岡さんが実行委員長を務める「赤坂秋まつり」は、9月11日・12日に開催されます。当日は、赤坂の飲食店など約50店が集結。赤坂で働く方も、地域にお住まいの方も、街の店や人がつくるにぎわいを感じに、ぜひ足を運んでみてください。

「灯る赤坂」は、これからも街に息づく人のあたたかさをお届けしていきます。次回もぜひお楽しみに。

<店舗情報>
「陶香堂」
住所:港区赤坂3-21-12
電話番号:03-3583-3915
営業時間:平日=11:00~19:00、土曜=11:00~17:00
定休日:日曜・祝日
公式サイト:https://tokodo.co.jp

<イベント情報>
「赤坂秋まつり2026」
開催日時:9月11日(金)17:30~21:30、12日(土)15:00~21:30
会場:赤坂一ツ木通り、中ノ町小路
主催:赤坂商店街協議会(赤坂みすじ通り会、赤坂通り商店会、赤坂一ツ木通り商店街振興組合)
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/akasaka_akimatsuri/

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