この度の令和8年熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
WOTA株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 兼 CEO:前田瑶介、以下「WOTA」)は、令和8年熊本地震の発災後、熊本県からの正式要請を受け、断水地域の避難所等において、水循環型シャワー「WOTA BOX」および水循環型手洗いスタンド「WOSH」による応急給水を進めています。
今回の熊本地震では、熊本県からの正式な協力要請を受け、災害時に全国の自治体等が保有する生活用水資機材を相互に融通する「災害時の生活用水資機材の広域互助に関する協定」に基づき、JWAD(ジェイワッド/Japan Water Association for Disaster)が運営・調整する広域互助の仕組みを通じて、8月17日時点で全国44自治体・2団体から計140台の機材を熊本県に集約しました。集約された機材は、現地の支援需要に応じて熊本県内の避難所等へ順次配備され、実際の入浴・手洗い支援に活用されています。今回、全国自治体等からの機材集約・活用実績、提供元から配備先までのトレーサビリティに加え、初動時に想定していた費用負担の前提の変化や、その後の需要変化等を整理した「WOTA 令和8年熊本地震対応ファクトシート(速報版第三報)」を公開します。
初動時には、避難所に加えて医療・福祉施設等でも100台を超える支援需要が確認されており、これらについても災害救助法等による公費負担を前提に展開可能と認識していたことから、JWADではこうした需要も見据えて機材集約を進めました。
その後、具体的な対象施設・費目について関係機関との確認を進める中で、公費負担の対象として整理できない支援があることが判明しました。同時に、断水解消や施設設備の復旧等により現地需要も変化しました。
今回のファクトシートでは、こうした費用負担の前提や需要の変化に加え、避難所と医療・福祉施設等で異なった展開条件と、それぞれの実際の展開スピード、待機中機材の状況も含め、広域互助の実績と今後に向けた課題を整理しています。
今回の実績と課題の双方を公開し、より迅速で実効性の高い広域互助体制の構築につなげてまいります。
■ 「WOTA 令和8年熊本地震対応ファクトシート(速報版第三報)」

保育施設での入浴後の様子

自治体から貸与された「WOTA BOX」が運用されている様子
WOTAは、2024年1月に発生した令和6年能登半島地震において、断水が長期化する中、全国から約300台の水循環型シャワー等を被災地へ集約しました。一方で、全国に分散する機材の所在把握や被災地のニーズとのマッチング、輸送等を個別に調整する必要があった事から、避難所等への配備には最長で約1か月を要しました。
こうした経験を踏まえ、WOTAは平時から自治体と連携し、災害時に各地の自治体が保有する生活用水資機材を県境を越えて融通する広域互助の仕組みの構築を進めてきました。JWADはその事務局として、自治体等からの要請受付、応援自治体との調整、資機材の集約・配分等を担っています。現在、25道府県と協定締結・合意に至っています。
今回の令和8年熊本地震では、2026年7月8日に災害時協定を締結していた熊本県からWOTAおよびJWAD事務局への正式な協力要請を受け、JWADの広域互助の仕組みを通じて全国自治体から「WOTA BOX」「WOSH」を集約・配備しました。

「災害時の生活用水資機材の広域互助に関する協定」締結済・合意自治体について
7月29日の現地入りから約1週間後の8月5日時点で、行政から正式に要請・確定していた避難所需要を概ねカバーしました。能登半島地震とは被災規模や条件が異なるため単純比較はできませんが、JWADを通じた全国自治体からの機材支援、熊本県・被災市町村による需要確認と受入調整、内閣府防災担当および経済産業省によるプッシュ型支援・オペレーション支援、防衛省および航空自衛隊による輸送支援、国土交通省および日本水道協会による給水支援、総務省による自治体応援職員の調整、民間企業・団体による人員・車両・役務提供の支援など、多くの官民関係者のご協力により実現しました。
7月31日、徳島県の調整のもと、徳島県、美馬市、つるぎ町、東みよし町、松茂町、板野町の6自治体からWOTA BOX8台が到着したのを皮切りに全国各地から順次機材が集まり、8月6日には石川県の調整のもと、令和6年能登半島地震の被災地である石川県、珠洲市、七尾市からWOTA BOX13台、WOSH19台の計32台が到着するなど、全国から機材の集約が進みました。
その結果、8月17日時点で全国44自治体、2団体から計140台の機材が熊本県へ集約されました。平時に各地で備えられていた資機材を災害時に県境を越えて集約し、現地需要に応じて実際の支援へつなげる広域互助が実行されました。
集約された機材は、断水が続く地域の避難所等へ順次配備され、入浴・手洗い環境の確保に活用されています。
なお、政府によるプッシュ型支援が決定された8月2~3日時点では、全国自治体からの機材集約はまだ初期段階にあり、避難所に加えて医療・福祉施設等でも大きな支援需要が確認されていました。
このため初動期には、政府によるプッシュ型支援とJWADを通じた自治体間の広域互助等、複数のルートから必要な機材を被災地へ集約する体制が並行して構築されました。
その後、全国自治体からの提供が拡大する一方、断水解消や施設設備の復旧等に伴って、実際に必要となる配備量も変化していきました。
※詳細な提供・配備実績は「WOTA 令和8年熊本地震対応ファクトシート(速報版第三報)」に掲載しています。



全国自治体等が保有する機材が熊本県内の倉庫に集約された様子
WOTAは発災後、熊本県や被災自治体、関係機関等と連携し、断水地域における入浴・手洗い環境の確保を進めてきました。
その結果、8月17日時点で、水循環型シャワー「WOTA BOX」の累計設置台数は142台となっています。また、8月18日時点で運営状況を評価した109台のうち96台(88.1%)が、現地運営主体が中心となって日常運営を担う「自律運用」へ移行しています。速報版第二報時点の74%から、自律運用への移行がさらに進みました。
応援派遣自治体、機材保有主体、地域コミュニティ、医療・福祉施設等の施設運営者など、複数の主体が日常運営を担うことで、100台超規模の展開を支える体制を構築しています。

避難所で中学生が運営をしている様子

応援派遣自治体による運営の様子
発災後、避難所に加えてDMAT等を通じて医療・福祉施設等でも100台を超える支援需要が確認されていました。初動時には、これらの施設への支援についても災害救助法等による公費負担を前提に展開可能と認識していたため、JWADではこうした需要も含めて、必要な機材を不足なく確保できるよう全国からの集約を進めました。
一方、その後、具体的な対象施設・費目について関係機関との確認を進める中で、医療・福祉施設や児童・保育施設等への支援の一部については、公費負担の対象として整理できないことが判明しました。このため、8月10日頃までは、公費負担・制度適用の確認と、企業協賛・クラウドファンディング等による民間資金の確保を並行して進める必要があり、本格展開を開始できない期間が生じました。なお、この期間も緊急性の高い施設についてはWOTA負担で先行対応しています。
8月11日から民間支援を活用した本格展開を開始し、その後約1週間で配備を拡大した結果、8月17日時点では確認されていた医療・福祉施設等の需要を概ねカバーしました。同時に、断水解消や施設設備の復旧によって初動時の需要自体も変化しており、現在は今後の需要変化や新たな支援要請等に備えて待機している機材もあります。
つまり、医療・福祉施設等への展開では、機材供給や現地運用体制ではなく、公的な費用負担・制度適用が、本格展開を開始するための条件となりました。この確認・調整の間は大規模な展開を開始できませんでしたが、8月11日に民間支援を活用した本格展開を開始した後は、約1週間で確認されていた需要を概ねカバーしています。詳細な台数・内訳については、ファクトシート第三報で公開しています。

避難所/医療・福祉施設等への生活用水支援の展開タイムライン
今回、全国からの機材集約や現地での運用体制は機能した一方、医療・福祉施設等への支援については、対象施設・費目ごとの公的な費用負担の整理が、本格展開を開始するための条件となることが明らかになりました。今後は、こうした制度上の接続条件についても平時から整理しておく必要があります。
能登半島地震では、医療・福祉施設等への支援について、日本財団による民間資金の支援が早期に決定したことで、搬入・立ち上げ、維持管理・運用等に必要な費用を確保しながら展開を進めることができました。熊本地震では、公費負担・制度適用の確認と並行して、企業協賛・クラウドファンディング等による民間資金の確保を新たに進める必要がありました。今回の経験を踏まえ、今後はこうした費用面も含め、平時から速やかに支援へ接続できる仕組みを整える必要があります。

民間支援を活用して児童施設に設置された「WOSH」

保育施設での手洗いの様子
今回、全国自治体等が平時から保有する水循環システムを県境を越えて短期間に熊本へ集約し、現地での運用体制まで構築できたことは、災害時の生活用水支援における重要な成果となりました。
今後は、この機材・運用面の広域互助に加えて、医療・福祉施設等への支援に必要な公的費用負担・制度適用と実際の展開を円滑に接続できるよう、関係機関と平時から整理を進め、より迅速で実効性の高い官民連携の仕組みにつなげてまいります。
今回公開する「WOTA 令和8年熊本地震対応ファクトシート(速報版第三報)」では、令和8年熊本地震における水循環型機材の広域互助・配備状況について、以下の情報を公開しました。
・対応開始からの経過と支援の概況(累計設置拠点数・台数等)
・避難所支援の進展(WOTA BOX累計設置台数・拠点数の推移)
・JWADを通じた広域連携(全国自治体等からの機材の集約・配備の状況)
・全国自治体等から提供され、熊本県内で実際に配備された機材の一覧(提供元、機種・台数、熊本到着日、最新/最終配備先、現在の状況)
・初動時の需要想定と、その後の需要変化・待機中機材の状況
・設置・運営体制の構築(倉庫・物流、給水、受入れ・運営、自律運用の状況)
・医療・福祉・児童・保育施設等への展開
■ 「WOTA 令和8年熊本地震対応ファクトシート(速報版第三報)」
「能登半島地震をはじめとするこれまでの災害対応では、全国にある機材をより迅速に届けるための仕組みが必要だという教訓がありました。
その教訓を踏まえて自治体の皆さまと構築してきた広域互助の仕組みによって、今回、各地で平時から備えられていた一台一台の機材が県境を越え、短期間に熊本へ集約され、実際の被災地支援につなげることができました。平時からの備えが、災害時の支援につながったことには大きな意義があると考えています。
これは、熊本県・被災市町村の皆さまをはじめ、全国の応援自治体、政府・関係省庁、自衛隊、DMAT、日本水道協会、協力企業・団体、そして現地で日々の運営を担ってくださっている地域・施設の皆さまなど、多くの方々のご尽力があって初めて実現できたものです。この場を借りて、改めて心より感謝申し上げます。
避難所については、こうした官民の連携によって、行政から正式に要請・確定していた需要を約1週間で概ねカバーすることができました。さらに、医療・福祉施設等についても、公費負担・制度適用の確認と代替財源の準備を経て本格展開を開始した後は、約1週間で確認されていた需要を概ねカバーすることができました。現地では自治体や施設運営者、地域の皆さまが日常運営を担う自律運用も進んでいます。
一方で、医療・福祉施設等への支援では、初動時に想定していた公的な費用負担の前提と、実際の制度適用との間に整理すべき課題があることも今回見えてきました。
今回、多くの皆さまの力によって実現した支援を今回限りのものにせず、公的な支援制度、民間支援、JWADによる広域互助をより円滑につなぎながら、必要なときに、必要な場所へ、確実に生活用水を届けられる仕組みへと発展させていきたいと考えています。」
WOTAは、令和8年熊本地震により断水や給湯設備の損傷等が続く医療・福祉施設への入浴・衛生環境の支援を継続・拡大するため、2026年8月10日(月)より企業協賛の募集およびクラウドファンディングプロジェクト「断水が続く熊本の医療・福祉施設へ、医療と福祉を支える水を、みんなの力で届けたい」を開始しています。寄せられた支援をもとに、厚生労働省の災害派遣医療チーム「DMAT事務局」・自治体・保健所等の関係機関と連携しながら最新の支援需要と優先順位を確認し、支援先の決定、機材の搬入・設置、現地への運用引継ぎまでを順次進めた結果、8月17日時点で、医療・福祉施設等41拠点・98台(WOTA BOX 45台、WOSH 53台)を配備しました。引き続き、現地の需要に応じて、寄せられた支援を入浴・衛生環境として一日でも早く届けてまいります。
引き続き、支援を待つ施設・皆さまに、一日でも早くシャワーと手洗いを届け、必要な期間、安心して利用できる環境を支え続けるためご支援いただけますと幸いです。
詳細は以下URLよりご確認ください。
■クラウドファンディングプロジェクト「断水が続く熊本の医療・福祉施設へ、医療と福祉を支える水を、みんなの力で届けたい。」
【WOTA株式会社について】
WOTAは、水問題の構造的な解決を目指す民間企業です。2014年の創業以来、地球上の水資源の偏在・枯渇・汚染によって生じる諸問題の解決のため、生活排水を再生し最大限有効活用する「分散型水循環システム」およびそれを実現する「水処理自律制御技術」を開発しています。既に、2つの製品を上市し、災害時の断水状況下における応急的な水利用の実現や、公衆衛生の向上に寄与して参りました。また、日常的な水利用を実現する「家庭用水循環システム」を開発し、国内外の一部地域での給水を開始しています。
詳細はこちら
https://wota.co.jp