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国立国会図書館のミニ電子展示「本の万華鏡」で「NINJA 虚像と実像」公開

「児雷也豪傑譚(ごうけつものがたり)」(左から)児雷也・綱手(つなで)・大蛇丸(おろちまる)

「児雷也豪傑譚(ごうけつものがたり)」(左から)児雷也・綱手(つなで)・大蛇丸(おろちまる)

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 国立国会図書館(千代田区永田町1、TEL 03-3581-2331)ウェブサイト内のミニ電子展示「本の万華鏡」で現在、「NINJA 虚像(エンタメ)と実像(ホンモノ)」が公開されている。

忍者が刀を使って塀を超える方法を解説した「忍術の極意」の一場面

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 同展示サイトは、2009(平成21)年5月に始まった企画。さまざまなテーマに沿い、同館が所蔵する「資料の世界へと誘う気軽な読み物」を公開している。毎回テーマを決め時間をかけて作り上げるため、年に1~2回のペースで新しい展示を発表している。

 同展示では、4巻仕立てで「エンタメ世界の忍者」と実在の忍者を「ホンモノの忍者」と位置づけ、両面から忍者の姿に迫る。「壱(いち)之巻 エンタメ世界の忍者-華麗なレッドカーペット」では、江戸時代の忍者文学や「児雷也(じらいや)」、猿飛佐助、石川五右衛門などの有名な忍者について紹介する。

 「弐(に)之巻 ホンモノ忍者-過酷なブラック労働」では、忍者の仕事や江戸時代の古地図を用いて江戸の伊賀町や甲賀町を解説。「参之巻 エンタメ忍者とホンモノ忍者、ここが違う!」では、忍者の装束や手裏剣(しゅりけん)などに触れる。

 「秘伝之巻 忍術書を読んでみよう」では、三大忍術書と言われる「万川集海(ばんせんしゅうかい)」、「忍秘(にんぴ)伝」、「正忍(しょうにん)記」について紹介する。「正忍記」は同館で保存しており、現在、デジタル化に向けて作業中。数カ月以内に全編を公開できる見通しで、同サイトでは先行してその一部を公開しているという。

 「忍者は、古今東西多くの人々を引きつけてきた。その魅力は、例えば伊賀・甲賀の忍者をテーマに観光に携わる人々の熱気にも表れている。しかし、忍者の実態についての研究が本格化したのはここ数年のこと。忍者は、その現実離れしたイメージから学術的な研究のテーマとしてはやや避けられがちな傾向があったが、2017(平成29)年に三重大学に『国際忍者研究センター』、2018(平成30)年に『国際忍者学会』が立ち上げられたことにより、そうした事情は変わりつつある」と同館展示担当者。

「現在では研究の本格化によって、単なる観光コンテンツとしてだけではなく、学術的な価値も認められるようになっている。このような事情から、忍者は研究分野として興味深いテーマだと考え『本の万華鏡』で紹介することにした。ぜひこの機会に閲覧してほしい」と話す。

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