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国立演芸場で企画展「口絵・挿絵でたどる演芸速記本」

1913(大正2)年の「講談里見八犬伝の十八犬士勢揃」の口絵

1913(大正2)年の「講談里見八犬伝の十八犬士勢揃」の口絵

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 国立劇場に併設する「国立演芸場」(千代田区隼町)1階の「演芸資料展示室」で現在、企画展「口絵・挿絵でたどる演芸速記本」が開催されている。

1917(大正6)年の「野木の怪談『娯楽世界』第5年第1号」の口絵

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 同展では、国立劇場が所蔵する速記本を中心に、口絵や挿絵の流れを追いながら、絵と速記本文との関係や変遷について紹介。大判の錦絵や速記本に添えられている口絵や挿絵など38点の資料を展示する。監修は武蔵野美術大学教授の今岡謙太郎さん。

 会場では3章に分けて展示。第1章の「速記本前史」では、葛飾北斎の「『新編水滸(すいこ)画伝』三編巻二拾一」の挿絵や、二代目歌川国貞の「『北雪美談 時代かがみ』三拾編」の口絵など8点を展示。江戸時代の錦絵や絵入り本から絵と文の関係を紐解く。

 第2章の「速記本の隆盛」では、「速記雑誌」「速記本と文学のつながり」「単行本について」の3つのカテゴリーに分けて展示。鰭崎英朋の「野木の怪談『娯楽世界』第5年第1号」の口絵や、高畠華宵の「かちどき『講談倶楽部』第6巻第9号夏季増刊 出世かがみ」の表紙、鈴木錦泉の「講談里見八犬伝の十八犬士勢揃(じゅうはっけんしせいぞろい)」など、明治以降、数多く刊行された速記雑誌や単行本を華やかな口絵や挿絵を通して紹介する。

 第3章の「変化していく速記本」では、戦後、出版界が変革を迎え速記本のあり方の変化や、時代の流れとともに変わっていく速記本における絵の役割を「『円生全集』第10巻」など6点を通して紹介する。

 同劇場調査養成部調査資料課図書・資料係の中澤麻衣さんは「主に明治~昭和期に刊行された演芸速記本の口絵や挿絵は、浮世絵師の末裔(まつえい)といえる画家や、今では高名な日本画家として知られる画家が手がけているものも多くある。今回の展示では『絵』という側面から演芸速記本をお楽しみいただけたら」と話す。

 展示時間は10時~17時。休室日は、5月22日~25日・29日~31日、6月21日・23日・25日~30日、7月1日・21日・24日~26日・28日・31日。入場無料。8月20日まで。

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