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国立劇場伝統芸能情報館で企画展「怪談物のつくりかた」 小道具や模型も

第3章の文楽小道具「九尾(きゅうび)の狐(キツネ)」

第3章の文楽小道具「九尾(きゅうび)の狐(キツネ)」

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 国立劇場に併設する「国立劇場伝統芸能情報館」(千代田区隼町、TEL 03-3265-7061)1階展示室で4月22日、企画展「怪談物のつくりかた-役者の芸と仕掛けの世界-」が始まった。

第4章の「東海道四谷怪談」蛇山庵室(へびやまあんじ)の場の舞台模型

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 同展は、歌舞伎の怪談物のつくり方の一端を多様な資料で紹介する国立劇場ならではの企画。同劇場所蔵の文献資料や役者絵、手品に関する古文献コレクション「緒方奇術文庫」「山本奇術文庫」などの珍しい品々、舞台で使われる現役の道具、模型など約70点を展示する。監修は法政大学教授の横山泰子さん。

 会場では、5つの章に分けて展示を行う。第1章「舞台をつくる人々-役者と作者」では、歌川貞房の錦絵「尾上菊五郎当り狂言合」などを展示する。第2章は「舞台をつくる道具と仕掛け」、第3章「妖怪のつくりかた-玉藻前と化け猫を中心に」では、文楽で使われる「九尾(きゅうび)の狐」の人形や歌舞伎で使われる「化け猫の手」など、視覚的にも楽しめる小道具を多く展示しているという。

 第4章「幽霊のつくりかた-四谷怪談を中心に」では、幽霊の代表格とされる「お岩さん」が登場する三代目歌川豊国の錦絵「東海道四谷怪談」などを展示。第5章「おばけと遊ぶ、おばけで遊ぶ」では、「緒方奇術文庫」の中からユーモラスなお化けの絵や、江戸時代の手品の解説書である古典籍「珎術(ちんじゅつ)さんげ袋」などを公開する。

 同会場の「シアタースペース」では、「昭和46年・国立劇場歌舞伎公演『東海道四谷怪談』元の伊右衛門浪宅の場(抜粋)」 など、約6分~約29分の作品7点を上映する。

 国立劇場調査資料課の南出達行さんは「歌舞伎の怪談物では、役者の演技の技術とさまざまな道具や仕掛けによって舞台にお化けが出現する。観客はそれが『作り物』と知っていながらも驚き楽しむ。そうした意味で怪談物は演劇的な面白さに満ちている。今回の展示では、そうした怪談物の『裏側である作り方』を劇場ならではの資料を使ってお見せできればと」話す。

 展示時間は10時~18時。休室日は7月1日。入場無料。8月20日まで。

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