プレスリリース

「窓口が使われないのは、社長の問題かもしれない」ー代表が率先して、自社に匿名の窓口を設置しました

リリース発行企業:HappyLifeCreators株式会社

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HappyLifeCreators株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役:牧長 心、以下「当社」)は、2026年10月22日より、匿名で社員の声を受け取るサービス「coe(コエ)」を1ヶ月間 ”ポジティブな声” のみに限定して運用する実証を開始しました。

内部通報や相談の窓口は、設置されていても使われていないことが各種調査で示されています。本実証は、その状況を変える責任は現場ではなく経営の側にあるという考えから、代表取締役が自らの判断を匿名の評価にさらす形で実施するものです。

【背景】窓口は、設置されていても使われていない

前述のとおり、内部通報や相談の窓口については、設置が進む一方で使われていないことが、各種調査で一貫して示されています。
調査例
- 消費者庁の実態調査(2024年4月公表)
内部通報制度を導入している事業者2,448社のうち、窓口の年間受付件数が「0件」は30.0%、「1〜5件」は29.3%でした。同庁は、窓口の活用は道半ばであると総括しています。
→ 約6割の企業で「年間数件以下」しか動いておらず、制度が形骸化している

- 同庁が就労者1万人に行った調査(2024年2月公表)
勤務先で重大な法令違反を目撃しても「相談・通報しない」と回答した人が41.1%にのぼりました。理由の最多は「誰に相談・通報したら良いか分からない」でした。
→ 4割以上の人が重大な不正を目撃しても「相談先が分からず放置」している

- 通報経験者への調査
実際に相談・通報した経験のある人のうち、17.2%が「後悔している」と回答しています。その理由として最も多かったのは「調査や是正が行われなかった」でした。
→ 勇気を出して通報した人の約6人に1人が「動いてもらえず後悔」している


つまり、声が出てこないのではなく、思っていることがあっても、どこに相談していいのか分からず声をあげられない人、声をあげても何も起きなかった人がいるというのが現状です。

【仮説】社員の声が届かないのは経営陣の問題かもしれない

本来届くべき層に声が届かない、もしくは届いても改善されないのは「組織の上部に原因があるのではないか」という仮説を立ててみました。その背景には、大きく2つの要因があります。

まず1つ目は「重大な不正そのものが、経営陣によって引き起こされているケースが多いこと」です。

調査例
- KPMGの調査(2026年9月公表、国内上場企業388社)では、損害額1億円以上の不正について、主体的な実行者は役員21%・管理職48%、合わせて69%でした。
- ACFEの国際調査(2026年5月公表、143の国・地域/2,402件)では、経営者・役員による不正の損害額(中央値)は、従業員による不正の9倍を超えています。

=重大な不正の当事者自身が上層部であるため、現場からは声をあげにくく、届いても改善されにくい構造があります。

そして2つ目は「従業員が声をあげやすい環境の整備や運用も、経営陣の判断に委ねられていること」です。

株式会社Dropが2026年10月に実施した調査(従業員301人以上の企業・法人の管理部門担当者550名)では、通報体制の整備や見直しを進めるうえでの障壁として、次の回答が挙がっています。
通報に対応する人員や時間を確保できない:27.1%
通報対応の担当者(従事者)の負担や責任が重く、人選が進まない:26.2%
経営層から独立した通報窓口の設置について、社内で合意できていない:14.2%
経営層の理解・優先度が低い:10.0%
問題を表面化させたくないという意向が社内にある:8.4%

上位2つは人の制約ですが、3番目以降は経営の判断です。

届いた声を見るか見ないか、動くか動かないか、自分の判断が批判の対象になることを受け入れるかどうか。いずれも、権限を持つ側が決めるというのが前提となっています。

つまり「窓口が機能するかどうかは、最終的に経営者の決定と覚悟にかかっている」と私たちは考えました。そのため本実証は、代表が自分の判断を匿名の評価にさらす企画として設計しています。

なぜ本実証では「ポジティブな声」に限定するのか

匿名とはいえ、会社という組織に対してネガティブな声を届けることは、社員の立場からすると非常に勇気が要ることです。経験がないことをやってみるというハードルの高さに加えて、組織内の力関係という障壁もあります。

また、当社のように従業員15名程度の小規模な企業では、匿名とはいえ声をあげた人が特定されてしまうというリスクも孕んでいます。

そこで本実証では、まず声を出すという行為そのものに慣れることを目的に、1ヶ月間に限り、受け付ける内容を次の3つに限定しました。いずれも「良いこと」でありながら、記名では言い出しにくい種類の情報です。




Cには、代表への評価が含まれます。代表が下した決定について、従業員が匿名で評価を書けるということです。

本実証では、届いた声に対して「やる/やらない/保留」を判断し、その結果を全従業員に開示することを、代表の役割とします。見送る場合も、その旨を伝えます。

ネガティブな内容の相談は、従来どおり当社の既存窓口で受け付けます。なお、coeは本来、ハラスメントや労働環境に関する相談を匿名で受け取る苦情処理メカニズムのプラットフォームであり、今回はその運用方法の一形態として実施しています。

開始直後に届いた16件(10月26日時点)

運用開始から10月26日時点で、16件の声が届いています。内容はcoe companyの分析機能で分類しました。以下がその結果です。






届いた16件の多くは、感謝と職場環境への評価でした。「みんな優しい」「教えてくれた」「ゴミ捨てありがとう」といった内容です。一方、このトライアルで集めようとしていたのは前章のA・B・C--とりわけB(改善提案)とC(上位者への評価)、つまり記名では言い出しにくい種類の声でした。開始直後の時点では、そこはまだ多くありません。

つまり、いま起きているのは「言いやすいことから言葉になっている」という状態です。これを、声をあげる習慣がつく過程の最初の段階と見るのか、それとも匿名の窓口でポジティブな声を集めるという設計そのものが感謝の収集に寄っていると見るのか。現時点では判断できません。1ヶ月後に、カテゴリの内訳がどう変化したかで確かめます。
届いた声の例(個人・部署が推測できない形に加工しています)
「オフィスにいつもお菓子や軽食が常備されているので、ちょっとした休憩や小腹が空いた時に助かっています。」
「季節のイベントの際に会社から自宅へ届く贈り物が嬉しく、モチベーションになっています。」
「冷蔵庫のドリンク類が充実していて、仕事に集中したい時やリフレッシュしたい時にとても重宝しています。」

実施概要




※当社は、本実証で使用するcoeの開発を担っています。本実証は第三者による導入事例ではなく、開発に関わる当事者が自社組織で自社プロダクトを使う、いわゆるドッグフーディングにあたります。
この点を伏せたまま導入事例として発表することは適切でないと判断し、開始時点で明示します。
【関連リリース】
2026年10月23日、株式会社Dropが「企業の内部通報体制の整備状況に関する調査」(従業員301人以上の企業・法人の管理部門担当者550名)を公表しました。本リリースはその結果を外部データとして引用しています。

コメント



HappyLifeCreators株式会社 代表取締役 牧長 心coeを開発する中で、窓口が機能しない最大の要因はツールの使い勝手や制度の有無よりも、声を受け取る側である「経営者の覚悟」にあると感じていました。15名ほどの組織で、代表である私自身の決定や姿勢を匿名の評価にさらすことは、正直なところ怖さもあります。でも、つくっている当事者の経営者がリスクを負って受け止めないと、本当に使われる仕組みなんてできないはずです。届いた声から逃げずに『やる/やらない/保留』とその理由を社員にしっかり伝え続けます。仮説が外れても、1ヶ月後のリアルな結果を出します。






株式会社Drop 代表取締役 米田 真介当社が10月に実施した調査では、体制整備の障壁として「経営層から独立した窓口の設置について社内で合意できていない」14.2%、「経営層の理解・優先度が低い」10.0%が挙がりました。窓口を整えても、受け取る側が動かなければ声は止まります。その受け取る側とは、多くの場合、経営者本人です。今回、牧長さんが自ら手を挙げ、自分の判断を匿名の評価にさらす形で始められたことに、この取り組みの意味があると考えています。仮説が外れる可能性は十分にあります。外れたなら、何がどう外れたのかを1ヶ月後にそのまま出したいと思います。



coe(コエ)とは

coeは、株式会社Dropが提供する通報窓口の構築・運用支援サービスです。従業員などが匿名で声を届けられるスマートフォンアプリ「coe worker」と、寄せられた通報をAIが分析し、深刻度や対応の優先度を整理する企業向けシステム「coe company」を組み合わせています。窓口の構築から運用までを専門チームが伴走し、内部通報窓口の外部委託先として、また人権の取り組みにおける苦情処理メカニズムの構築手段として活用できるプラットフォームです。



24時間365日、匿名で利用でき、通常は経営層まで届かない現場の声を可視化します。届いた声はAIが内容とリスクを判定し、coe事務局が1件ずつ確認したうえで、個人が特定される情報を伏せた状態で企業に届きます。企業側では、声の分類・傾向分析・改善提案をcoe companyのAI分析機能で確認できます。開発はHappyLifeCreators株式会社、サービス提供は株式会社Dropが担っています。

・coe company:https://coecompany.jp/
・coe worker:https://coeworker.jp/

会社概要・お問い合わせ先

HappyLifeCreators株式会社
代表者:代表取締役 牧長 心
本社所在地:〒532-0011大阪市淀川区西中島3-18-9 新大阪日大ビル701
設立:2019年5月10日
事業内容:Webシステム、スマホアプリ開発、VR/ARソリューション
URL:https://www.happylifecreators.com/

株式会社Drop
代表者:代表取締役 米田 真介
本社所在地:大阪府大阪市北区大深町6番38号 グラングリーン大阪北館 JAM BASE 6階 JAM DESK
設立:2019年
事業内容:ビジネスと人権に関する支援サービスの提供。内部通報・グリーバンスメカニズム構築支援「coe company」、従業員の声を集める匿名アプリ「coe worker」、人権eラーニング、人権デュー・ディリジェンスのアドバイザリー
URL:https://drop.ne.jp/




<出典・注記>
・消費者庁「民間事業者の内部通報対応 実態調査結果概要」(2024年4月公表)。内部通報制度を導入していると回答した2,448社に対する調査。年間受付件数の内訳は0件30.0%、1〜5件29.3%ほか。なお同庁は、調査への回答が任意で有効回答率が3割程度であり、法令に適切に対応している事業者ほど回答を提出する可能性があるため、回答者バイアスを排除できないと注記しています。
・消費者庁「内部通報制度に関する就労者1万人アンケート調査の結果について」(2024年2月公表)。2023年11月実施、常時使用する従業員3名以上の事業者に勤務する全国15〜79歳の就業者10,000人。
・株式会社Drop「企業の内部通報体制の整備状況に関する調査」(2026年)。2026年10月7日〜9日、インターネットリサーチ。従業員301人以上の企業・法人に勤務し、内部通報制度または人権に関する取り組みの内容を把握している管理部門の担当者550名。障壁に関する設問は複数回答。担当者個人の認識を聞いたものであり、組織としての実態と異なる場合があります。
・KPMG Forensic & Risk Advisory「Fraud Survey 日本企業の不正に関する実態調査2026」(2026年9月28日公表)。調査対象は2026年3月18日時点の国内全上場企業、有効回答388社。実行者に関する数値は、不正が発生したと回答した企業に対するものです。
・ACFE(公認不正検査士協会)「Occupational Fraud 2026: A Report to the Nations」(2026年5月公表)。143の国・地域における2,402件の職業上の不正事例を分析。
・不正に関する各調査は、職業上の不正・会計不正を対象としたものであり、本実証が対象とする職場の声とは範囲が異なります。窓口が使われにくいという共通の論点を示す参考として引用しています。
・coeは不正検知を目的としたシステムではなく、働く人の声を匿名で受け取るグリーバンスメカニズムのプラットフォームです。
・本リリースに記載した16件の集計は、coe companyの分析機能による分類結果です。1件の声に複数のカテゴリが付与されるため、カテゴリ別件数の合計は総件数と一致しません。
・投稿の引用は、個人および部署が特定・推測されない形に加工しています。
・本実証の対象者は15名であり、統計的な代表性を主張するものではありません。事前・事後アンケートには統制群がないため、観測された変化が本実証によって生じたと断定することはできません。
・本リリースに記載した仮説は、実証開始時点における当社の見立てであり、検証された事実ではありません。また第6章に記載のとおり、検証を断念した仮説が1点あります。
・HappyLifeCreators株式会社は「coe」の開発を担っており、本実証は第三者による導入事例ではありません。この点を開始時点で明示しています。

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