赤坂の氷川神社で藍染め体験講座-境内で生育した藍を使用

染色した布を広げて、色を確認。この後、布を水洗いすると青磁に近い色に変化する。

染色した布を広げて、色を確認。この後、布を水洗いすると青磁に近い色に変化する。

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 赤坂氷川神社(港区赤坂6)は8月9 日、境内で生育した蓼藍(たであい)を使った藍染め体験講座を開いた。主催は氷川神社や赤坂近隣の住民が中心となり発足した「ともえ会」が、「地域の子供たちに、土や草いじりをする経験や神社の伝統に触れてもらいたい」という思いから企画した。

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 同会の設立メンバーであるガーデンデザイナーの塚田有一さんと、フリーランスキュレーターである石田紀佳さんの指導の下で行われたのは「生葉染め」と呼ばれる生の葉っぱを使用した染め方。境内で育てた藍を摘み、より分けた葉を水と一緒にミキサーにかけ、できた汁をこしたものに布を漬け込み、色を染める。染めた布は水ですすいだ後、日光にあてて乾かすことで、青磁器のような薄い水色に変化する。

 20人ほどの参加者の大半は藍染め未経験者。講義中は「染めた布から草のにおいがする」「思っていたよりも、発色がいい」「布によって発色が違う」などと驚きの声が上がった。親子での参加者も多かったため、「夏休みの自由研究にしたい」とTシャツやタオルなどさまざまなものを染める小学生の姿もみられた。

 藍染め作業終了後は、塚田さん、石田さんによる「藍の効用」や、神社の祭事などと関係の深い大麻についての講義。「縄文土器に使用されている縄は大麻で編まれている」「天皇陛下の即位式である大嘗祭(だいじょうさい)の式服は大麻で織られている」など、一般的に知られていない大麻の利用法に一同感心した様子をみせた。

 同神社の禰宜・恵川義浩さんは「一度きりになってしまっては、ただのイベントで終わってしまう。藍染めしたものでお守りやしおりなどを作り、それを参拝者に渡すなど、何かしら循環性のあるシステムを作りたい」と今後に向けた継続策を探る。

 藍の生葉染めは、藍の花が咲くまでの夏の間にしか行えない。来年度は花の後に種を採り、来年はそれを撒くところから実際に染めるまでを体験出来るよう検討中だ。日程は未定だが、今後も藍染め講義は行う予定。

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