異なる企業が複数集まり、共に働きながら一つのオフィスをシェアする「オフィス・コロボックル」(港区赤坂6)が赤坂にオープンして1カ月以上が過ぎた。
オフィス・コロボックルとは、異なる企業や個人が複数集まる「場」のこと。代表の堀田一芙さんは「震災時、帰宅困難者が続出し、翌日以降も会社に行けないなどの不便があった。そこで自宅近くに第2のミニオフィスの存在が必要だと感じた」と設立の目的を話す。「節電対策、親の介護などさまざまな理由で自宅作業を強いられてしまうこともある。しかし、自宅という場所は人によって状況がさまざまで、決して集中できるわけではない。考え方は人それぞれだが、本来、自宅は家庭の場」とも。
現在、賛同企業は10社ほど。「専門分野の異なる企業の連携」として、各社の社員はオフィスを自由に使える代わりに、自社の持っているノウハウやアイデアなどをオフィスのサービスとして提供する。「日本は、みんなで集まって価値を作っていくことに長(た)けている。これからはオフィスもシェアする時代」と堀田さん。
「コロボックル」は「転坂(ころびざか)」という地名に由来。築33年、約20坪のマンションの一室をオフィスとして構えている。室内デザインには、宮崎県の飫肥杉(おひすぎ)材を使用。オフィスには杉の香りが立ちこめる。5人同時にデスクワークが可能な事務室と最大約10人収容可能な会議室、ケータリングも行うキッチンを設置。会議室にはクラウド対応したOAホワイトボードや多機能プリンター、手書きペン入力システムなどを常備する。
週末などにはイベント等で開放も行う。「今後、『オフィス・コロボックル』がモデルとなって新しい『場』が増えれば」と、堀田さんは期待を寄せる。