国立国会図書館(千代田区永田町1)で3月9日、「これからの大学図書館-グーグル化する世界と将来展望」と題する講演会が行われた。
講演は、当初予定していた60人を大幅に超える予約が殺到。300人まで枠を広げ開催された。図書館界や出版界が未だ模索中だというグーグルによる書籍のデジタル化問題。これに対し、グーグルとの提携を推進、書籍デジタル化プロジェクトへの参加も行ってきた米・メリーランド大学図書館長のパトリシア・スティールさんが講演した。
「今後、図書館の在り方は変わっていき、今までにないくらい利用者との距離が密接になっていくなかでグーグル社とのパートナーシップは大切。グーグル社は電子書籍化に必要な資金、ビジョン・能力を持ち合わせている」とスティールさん。「最終的にグーグル社は5,000~6,000万冊をデジタル化しようと考えている。目標は利用者のためにあらゆる知識を獲得すること。わたしたちもバーチャルな所蔵著書を作ることなどもできる」とも。
面白い講演会があると、ツイッターを通して知り参加したという早稲田大学の男子学生(19)は「著作権の部分は知らないことも多かったので面白かった。著作権の期限がまだ切れていないものでもデジタル化されていけばうれしい」と話していた。「逐次通訳ではなく同時通訳にしてもらって、もう少しいろいろな話を聞きたかった」とも。
同講演の模様は、同館関西館でも中継された。