「江戸時代の日蘭交流」展-国立国会図書館がサイト上で電子展示会

「解体新書」。体系的な西洋解剖学書の、日本で最初の翻訳。

「解体新書」。体系的な西洋解剖学書の、日本で最初の翻訳。

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 国立国会図書館(千代田区永田町1)は12月16日、1609年の日蘭通商開始400年を記念し、ホームページ上で電子展示会「江戸時代の日蘭交流」を始めた。

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 同館は、2005年以降オランダ王立図書館との協定に基づき、資料の電子化や保存などの作業を進めてきた。その中で、一般の目に触れることの少ない貴重な江戸時代の日蘭交流に関する蘭書など約240点(電子化された画像約2,500コマ)を公開する同展の企画が生まれた。オランダ王立図書館職員のディルク・タンさんは「この協力事業を成功させるためには、両国で意見交換し、対象となる分野を特定し、ウェブサイトに載せる資料を選択するなど多くの努力が必要だったが、多くの人がこのサイトを利用して日本とオランダの関係に関心を持つことになる」と電子展示会の意義を語る。

 同館には、蕃書調所、開成所などが所蔵していた洋書約3,600冊が伝わり、そのほとんどが蘭書。第1部「歴史をたどる」では、日蘭交流の始まりから日本の開国などの日蘭関係を詳しく紹介。第2部「トピックで見る」では、シ-ボルトなどの「来日外国人の日本研究」や杉田玄白など日本の蘭学者がどのような勉強をしていたのかが分かる「蘭学者の活躍」など6つのトピックを用意する。そのほか、資料として各関係図書の解説や参考文献などを掲載。既に同テーマの下に公開されているオランダ王立図書館の電子展示「The Netherlands Japan」にもリンクする。

 「専門家だけでなく、一般の方でもわかりやすいようにつくられている。江戸時代に、こんなに外国の文化などが輸入されたことに驚きがあると思う。当時の人々の知識欲も感じてもらえるはず」と同館の折田洋晴さん。「これからさらに電子図書サービスには力を入れていく。次の企画も既に進行している」とも。

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