企画展「こんなところにも!和菓子で楽しむ錦絵展」が現在、赤坂の老舗和菓子店「とらや 赤坂店」(港区赤坂4)の地下1階にある「虎屋 赤坂ギャラリー」で開催されている。
「歌川豊国(三代)」が描いた錦絵「江戸名所百人美女 とりのまち」
同企画展では、虎屋文庫が所蔵する菓子関連の錦絵から、江戸時代~明治時代のものを中心に約100点を展示するほか、錦絵に出てくるものを再現した菓子を約30点展示する。
会場のメインコーナーは5つ。「くらしの中の菓子」のコーナーでは、「歌川豊国(三代)」が描いた錦絵「江戸名所百人美女 とりのまち」を紹介する。「旅でひと休み」コーナーでは、「惺々周麿(せいせいちかまろ)」の「東海道名所之内 権太坂(ごんたざか)」を紹介。「病を退け 福を呼ぶ」「名物菓子と菓子屋」「芝居で楽しむ」といったコーナーも設け、テーマごとにいろいろな角度から紹介する。
会場にはサブコーナーも設ける。「お菓子がいっぱい」コーナーでは、さまざまな菓子が盛ってある錦絵を集めて菓子と共に紹介。クイズ形式の「菓子をあててみよう」や、錦絵に描かれている菓子をズームアップして見せるスライドショーの「こんなところにも菓子が!」、撮影可能な「菓子袋」コーナーでは、名所や色鮮やかな花々など、さまざまな意匠の菓子袋を展示する。
2階の売店では、展示にちなんだ「粟(あわ)餅」(486円)の販売を行う。同菓子は「芝居で楽しむ」コーナーで展示する「花競俄曲突(はなのほかにわかのきょくつき)」に登場する菓子で、歌舞伎役者が舞台でおかしな身ぶりで歌いはやしながら粟餅をつく様子を描いた錦絵にちなんだもの。御膳あんを滑らかな口当たりに仕立てた粟で包んだ生菓子だという。
とらや広報担当のオラナンさんは「今回の展示では、コーナーそれぞれに魅力的な錦絵を並べた。特に、江戸時代に死の病と恐れられた疱瘡(ほうそう)をつかさどる神が病に効果があるとされた小豆のぼた餅を食べているさまを描いた『疱瘡神(ほうそうがみ)』や、浅草寺の雷門の風神が浅草名物の『浅草餅』を持っている『月雪花鈍画掛額(つきゆきはなどんえのかけがく)』といった錦絵を見てほしい。酉(とり)の市の粟餅やきび餅のように今では錦絵でしか見られない菓子も紹介しているので、来場していただければ」と話す。
開催時間は10時~17時。入場無料。11月23日まで(11月6日は休み)。売店の営業時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は9時30分~18時)。「粟餅」の販売は10月31日まで。