![大賞を受賞した辻村深月さん](https://images.keizai.biz/akasaka_keizai/headline/1523384932_photo.jpg)
明治記念館(港区元赤坂2)で4月10日、「2018年本屋大賞」の発表会が開催され、大賞受賞作に辻村深月さんの『かがみの孤城』(ポプラ社)が選ばれた。
同賞は「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーに、出版業界の活性化のため、年に一度全国の書店員の投票によって選出される文学賞。今年で15回目を迎え、昨年は恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』が受賞した。
今回大賞を受賞した辻村深月さんは、1980年山梨県生まれの小説家。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。受賞作の『かがみの孤城』は、学校に通わず部屋に閉じこもっている中学1年生の少女が主人公の物語で、ある共通点を持った少年少女7人が突然鏡の中に引きこまれ、異世界のお城で交流するファンタジー作品。
当日の発表会で辻村さんは「行き場のない気持ちを抱えている読者の方を一人でも多く救いたいという書店員さんの気持ちがこの結果を導いてくれた。今はうつむいている誰かがこの本を読んで、前を向いて次の誰かにその気持ちをつなげてくれたらとてもうれしい」とコメントした。
大賞以下の順位は、2位が柚月裕子さんの『盤上の向日葵』(中央公論新社)、3位が今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』(東京創元社)となった。当日は翻訳小説部門も発表され、ステファニー・ガーバーさん(西本かおる訳)の『カラヴァル深紅色の少女』(キノブックス)が大賞を受賞した。