国立国会図書館(千代田区永田町1、TEL 03-3581-2331)東京本館の「国立国会図書館ギャラリー」が6月20日、「小さな科学・レシピ本」をテーマにした展示を始めた。
国立国会図書館の職員がレシピを元に再現した料理の写真とともに紹介するパネル展示
東京本館の新館と本館の間に位置する同ギャラリー。季節やユーザーに関心を持ってもらえそうな話題などをテーマに、10~20点ほどの資料を「ギャラリー展示」として開催。テーマごとに1~2カ月という短い展示期間で行う。
今回の展示では、明治から昭和までの、主に家庭向けに出版されたレシピ本を「小さな科学」という観点で紹介。同展では30点ほどの資料を展示する。
同館展示担当者は「レシピ本は後世から顧みられることは多くないが、当時の人々の健康やおいしさへの希求がリアルに表れている。あまり知られていない明治期以降のレシピ本の魅力を発掘するとともに、食の多様性を支えてきた科学の知識を紹介することを目的に企画した」と話す。
会場の「明治のカレーレシピいろいろ」のコーナーでは明治時代に刊行されたレシピ本や、カレーの具材のさまざまなバリエーションや特徴的な調味料をピックアップして紹介。「食材とレシピ」のコーナーでは果物、発酵食品、牛乳、スパイスに関する資料を展示する。
このほか、1872(明治5)年の「カレー」、1929(昭和4)年の「キャネロンオブビーフ」、1961(昭和36)年の「親子ラーメン」など、一部の料理を同館の職員がレシピを元に再現した料理の写真も併せて紹介する。同館では同じテーマをデジタルコンテンツとしても配信している。
担当者は「レシピ本は昔の暮らしに思いをはせるだけではなく、実際に料理を再現し、体験できるのも魅力の一つ。気になるレシピが見つかれば、ぜひ挑戦してみてほしい」と話す。
開館時間は9時30分~19時(土曜は17時まで)。日曜、7月15日・17日、8月12日は休館。入館は満18歳以上で、利用者登録が必要。8月20日まで。