国立国会図書館(千代田区永田町1、TEL 03-3581-2331)東京本館の「国立国会図書館ギャラリー」で現在、「源氏物語と源氏絵」をテーマにした展示が行われている。
東京本館の新館と本館の間に位置する同ギャラリー。季節やユーザーに関心を持ってもらえそうな話題などをテーマに、10~20点ほどの資料を「ギャラリー展示」して開催。テーマごとに1カ月~2カ月といった短い展示期間で行う。過去には「黎明(れいめい)期の植物学と牧野富太郎」「結構毛だらけネコ本だらけ」なども公開してきた。
同館展示担当者は「当館では、源氏物語に関連した絵巻や錦絵から海外での翻訳や漫画まで、幅広い資料を所蔵している。源氏物語が国内外でさまざまな形で読み継がれてきたことを、国立国会図書館の資料で紹介できるテーマであると考え企画した。NHK大河ドラマの主人公が、源氏物語の作者、紫式部になったことも一つのきっかけ」と話す。
今回の展示では、源氏物語の現代語訳や翻訳書、同物語を題材にした漫画のほか、デジタル化資料から絵巻や錦絵なども見ることができる。同館では同じテーマをデジタルコンテンツとしても発信している。
担当者は「1000年も前に紫式部が書いた源氏物語は、日本だけではなく世界の多くの地域の言葉に訳して読まれている。大河ドラマにより紫式部や源氏物語に関心が集まる中、当館の展示では、人々が絵巻や古典だけではなく、源氏物語を、ダイジェスト版である梗概書(こうがいしょ)、現代文訳、漫画などで楽しみながら読み継いできたことを紹介している。源氏物語の世界を別のものになぞらえたり、江戸時代に置き換えたりした源氏絵も紹介する。デジタル版を通じて、『NDLイメージバンク』『国立国会図書館デジタルコレクション』にも触れてみてほしい」と呼びかける。
開館時間は9時30分~19時(土曜は17時まで)。日曜・祝日休館。入場無料。2月20日まで。