溜池山王の和食店「とれたて魚と野菜の小料理 KIGI(キギ)」(千代田区永田町2、TEL 03-6205-8095)が10月17日、「薬膳おでん」の提供を始めた。経営はInnovation Design(永田町2)。
地産地消の基準となる半径80キロ圏内の食材を7割以上使った料理を提供する同店。今回提供する薬膳おでんは、「薬日本堂」(品川区)協力の下で開発したメニュー。「夏の疲れを癒やし潤いを補う」をテーマに季節に合わせた旬の食材を使う。
同社サステナブルデザイン室マネジャーの和田奈央さんは「薬膳とは、古代の人々の『薬食同源』の知恵を基に、食材の特徴を生かして日々の体調管理に役立てる料理のこと。コロナ禍において健康志向が高まり、スクールなどで薬膳を学び日常に取り入れる人も増えてきている。おでんはだしのうまみが具材にたっぷり染み込むシンプルで奥の深い和食の一つ。誰もが気軽に薬膳の考えに触れ、食べることを通して健やかな毎日を送ってほしいという思いを込めてメニューを開発した」と話す。
具材のラインアップは10種類で、おでんのだしはシイタケの軸、昆布、ナツメ、クコの実、松の実などを使って仕上げたものを使う。メニューは、「にんじん」「あつあげ」「黒キクラゲ」を入れた「3種盛り合わせ」(550円)、「大根」「椎茸(しいたけ)」も入る「5種盛り合わせ」(880円)、「こんにゃく」「ごぼう」をさらに追加した「7種盛り合わせ 」(1,210円)のほか、「鶏肉」(330円)、「卵」(220円)、「銀杏(ぎんなん)」(275円)は単品で注文することができる。盛り合わせの具材も1品(165円~)から追加オーダーできる。
トッピングには「ごまだれ」「青柚子胡椒(ゆずこしょう)」「赤柚子胡椒」(以上55円)などの薬味を用意するほか、八丁みそと塩は希望者に無料で付ける。薬味は季節により内容を入れ替える予定だという。
和田さんは「植物性食材のみのだしをベースに、具材は薬膳の基本となる食材が体に入った時にもたらす性質『寒、涼、温、熱(平)』を表す『四気(しき)』と、『酸、苦、甘、辛、鹹(かん=塩辛い)』の『五味(ごみ)』の考えを基に、季節に合わせた旬のものを選んだ。これからの季節にぴったりのメニュー」と話す。
提供時間は17時30分~22時。