ひな祭り向けの和菓子を現在、赤坂の老舗和菓子店「とらや 赤坂店」(港区赤坂4、TEL 03-3408-2331)が期間限定で販売している。
とらやに現存する1776年(安永5)年の雛井籠(提供=虎屋文庫)
例年ひな祭り向けの和菓子を販売する同店。今年は5種類を用意する。「雛折(ひなおり)」(2,862円)は、練りようかんに道明寺かんを重ね、右近(うこん)の橘(たちばな)と左近(さこん)のサクラをあしらい折り箱に収める。季節のようかん「雛衣(ひなごろも)」(1,944円)は、白小豆を使った黄、緑、紅、白、紫の5色の練りようかんで、ひな人形の衣装を表現した。小形ようかんの小倉の「夜の梅」と黒砂糖入りの「おもかげ」をそれぞれ竹皮で包み、スギの木で作った台にのせた「雛台」(3,068円)も販売する。
2月25日からは生菓子の販売も始める。「雛井籠(ひなせいろう)」(1段=2,106円)は、菓子を詰め合わせた小箱を5段まで重ねることができる。とらやに現存する1776(安永5)年のひな菓子を届けるための容器である雛井籠を模しているという。小箱は、こしあん入り薯蕷(じょうよ)まんじゅう「笑顔饅(えがおまん)」、生菓子を3種類詰め合わせた「三種詰合せ」、八重桜、モモ、ツバキの花をかたどった和三盆糖製の「花干菓子詰合せ」を用意する。
広報担当者のオラナンさんは「雛井籠の『三種詰合せ』の『桃の里』は、紅色の求肥(ぎゅうひ)生地に白のカルメラを付けた菓子で、桃源郷のように桃が咲き匂う山里の情景を思わせる。練り切り製で白あん入りの『仙寿』は、桃をかたどり女の子の成長をことほぐ桃の節句にふさわしい意匠になっている。道明寺製の『雛てまり』は、氷餅をまぶした黄色の道明寺まんに、桃の花の焼き印を押した」と話す。
このほか、薄く伸ばして焼いた小麦粉生地でこしあんを包み塩漬けした桜葉で巻いた「桜餅」(476円)も用意する。
「ひな祭りは女の子の健やかな成長を願う行事として古くより親しまれてきた。とらやのひな祭りにちなんだお菓子は手土産としても、ご自宅用としても、お楽しみいただきたい」とオラナンさん。
営業時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は9時30分~)。毎月6日定休。「雛折」「雛衣」「雛台」「雛井籠」販売は3月3日まで。「桜餅」販売は4月10日まで。