「とらや東京出店150周年記念 千里起風(せんりきふう)展」が現在、赤坂の老舗和菓子店「とらや 赤坂店」(港区赤坂4)の「虎屋 赤坂ギャラリー」で開催されている。
150年前に十二代店主・黒川光正が東京への出店を決断した際のエピソード
室町時代後期に京都で創業した同店が1869(明治2)年、東京遷都に伴い天皇にお供して東京に出店し、今年で150年目を迎えることを記念して開催する。
会場では5世紀の歴史の中から特に印象的な出来事を約28メートルの絵巻物仕立てで紹介する。巻物の絵は東京藝術大学大学院の谷津有紀さんが手掛け、ギャラリー中央に置く虎の陶器のオブジェは作陶家の北郷江さんが制作した。2階売り場の一角には、1964(昭和39)年に完工した「虎屋ビル」の75分の1サイズの模型や、昔の製造場、赤坂店の様子が分かる写真を展示する。
6月29日・7月20日の各日13時30分からは、ギャラリートークを開催する。同展で紹介しきれなかったエピソードや、同店の東京の地での歩みなどを約30分にわたり分かりやすく解説する。
広報担当の奥野容子さんは「絵巻物には関ヶ原の戦いや、今でも当社が大切に祭っている毘沙門天との縁にまつわるストーリーをはじめ、150年前に十二代店主・光正が東京への出店を決断した際の葛藤、戦時の東京大空襲時のエピソードなど、チャーミングな虎が店主や店員として登場し、分かりやすく紹介している。9月まで開催しているのでぜひお立ち寄りいただきたい」と話す。
開催時間は平日=8時30分~19時、土曜・日曜・祝日=9時30分~18時。7月6日、8月6日は休廊。入場無料。9月5日まで。