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赤坂憩いの広場の「黄色いインコ」が10周年 作者に制作背景を聞いた

赤坂憩いの広場にある黄色いインコのオブジェ「Polly Zeus」

赤坂憩いの広場にある黄色いインコのオブジェ「Polly Zeus」

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 赤坂サカス内「憩いの広場」(港区赤坂5)に設置されているインコのオブジェが9月、設置から10年を迎えた。

完成当時の「Polly Zeus」

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 表面の鮮やかな色合いから、「黄色いインコ」として親しまれている同オブジェ。一方で「何を目的としたオブジェか」「何故この場所に設置されたのか」など、疑問を抱く人も多い。

 制作したのは、現代美術家で京都造形芸術大学教授の椿昇さん。作品名は「Polly Zeus」。2008年9月から10月に赤坂エリアで開催された展覧会「Akasaka Art Flower 08」の出展作品の一つだった。「90年台前半から数年間で7体制作したうちの『エディションNO4』と『NO5』の2体。当時、アメリカを巡回した、80年代の日本現代美術を紹介する展覧会の後に制作した」と椿さん。

 作品について椿さんは「Polly Zeusは、グローバル化が進む世界の消費行動をアイロニカル(皮肉)に表現した。『Polly』はオウム返しに応えるという意味で、ギリシャ神話の神であるゼウスが接合されることにより、集合無意識的に消費者の行動が生み出されて新しい神となるというステートメント(提示)である」と説明する。

 椿さんにとって同作品は、全て自分で手作りした最後の作品になるという。「以降はすべて発注に移行したので、ゼロからフィニッシュまで自作した最後かつ貴重な作品となる。当時は高校教師だったため、手伝ってくれたのは女子高生たち。頭に載っている小さなティアラは、手伝ってくれた学生たちと、公園で休息する赤坂の人たちへの『ギフト』」と椿さん。

 「パブリックアートは設置したら終わりでなく、家の外壁塗装のようにメンテナンスも必要となるため10年に一度程度、再塗装していただければうれしい。できれば公園に四季折々の花が咲いて、赤坂で働く人たちがつかの間の休息を楽しんでもらい、ぜひかわいがっていただければ」と笑顔を見せる。

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