国立劇場(千代田区隼町)は3月27日より、桜の季節に合わせたイベント「国立劇場さくらまつり」を開催する。
同イベントは2005年より始められたイベントで、今年で5回目。国の施設であり文楽や歌舞伎などの日本の伝統芸能を扱う劇場という敷居の高いイメージを払しょくし、多くの人により身近に親しんでもらうことを目的に始められた。昨年は10日間で約2万人が来場。
同劇場の前庭には「駿河桜」「仙台屋」「神代曙」「八重紅枝垂」「小松乙女」「関山」など7種約20本の桜が毎年花を付け、隠れた桜の名所となっている。「本数は少ないが、国内でも珍しい品種が集まっており、都内でそうした希少品種を見ることができるのが特徴」と同劇場担当者。
また「駿河桜」から自然交配したと思われる新品種の桜が同劇場内で見つかり、同劇場は昨年、国に正式に品種登録を行い、新品種の桜の名称を公募。今年2月に名称が「駿河小町」に決定し、同イベントで正式にお披露目する。「駿河小町」は1つの花芽から複数の花をつけ、「ぼんぼり」のような姿になる駿河桜の特徴を受け継いでおり、「駿河桜」が「白色」に対し、「駿河小町」は「薄いピンク色」の花をつける。
同30日には、「駿河小町」の名称で応募した人の中から抽選で選ばれた人に、「駿河小町」を増やした第1号の苗や賞品を贈る贈呈式を行う。「『駿河小町』を増やし、国立劇場発の桜として広めいていきたい」と同劇場担当者。
期間中、屋外には床机(しょうぎ)や野だて笠を並べ、ゆっくり桜が楽しめるようにするほか、ほうじ茶や菓子を無料で提供。仮設ステージでは、江戸時代に宴席の余興として行われた「紙切り」や古くから神社に伝わる「伎楽・散楽」の一部である「太神楽(たいかぐら)」などの伝統芸能も披露する。
開催時間は12時~15時。4月5日まで。