
国立国会図書館(千代田区永田町1、TEL 03-3581-2331)東京本館の「国立国会図書館ギャラリー」で現在、「時代の風雲児・蔦屋(つたや)重三郎」をテーマにした展示が行われている。
吉原の遊女を紹介した大正時代の複製版の「青楼美人合姿鏡 春・夏」
東京本館の新館と本館の間に位置する同ギャラリー。季節やユーザーに関心を持ってもらえそうな話題などをテーマに、10~20点ほどの資料を「ギャラリー展示」として企画。テーマごとに1~2カ月の短い展示期間で行う。
同館展示担当者は「今年の大河ドラマの『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(ばなし)~』にちなみ、当館が所蔵する蔦屋重三郎にまつわる資料を多くの人に知ってほしいと企画した」と話す。
会場では「江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)」など、大正時代以降に刊行された蔦屋重三郎の出版物の複製版や同館職員が制作した「通油町・紅絵問屋・蔦屋重三郎」と書かれたあんどん型の看板などを展示するほか、同館デジタルコレクションからプリントアウトして制作したレプリカは手に取って見ることできる。
このほか、「青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ) 春・夏」「青楼美人合姿鏡 秋・冬」など、吉原の遊女を紹介した大正時代の複製版の色鮮やかに表現された絵本も展示する。
担当者は「『吉原細見(さいけん)』をはじめ、黄表紙や狂歌絵本など、蔦重が出版した資料の幅広さを感じてほしい。職員がレプリカを制作して、ギャラリー内に浮世絵をつるし、いくつかの冊子を手に取れるようにするなど、体感型の展示を一部行っている。蔦重の耕書堂に足を踏み入れた気持ちになってほしい」と来館を呼びかける。
開館時間は9時30分~19時(土曜は17時まで)。日曜と3月19日・20日は休館。入館は満18歳以上で、利用者登録が必要。4月15日まで。