プレスリリース

こども家庭庁 企業主導型ベビーシッター支援制度の利用実態~現代の働き方や子育てニーズへの対応を求める声~〈キッズライン調査レポート〉

リリース発行企業:株式会社キッズライン

情報提供:

全国47都道府県で24時間スマホで呼べるベビーシッターサービス「キッズライン」を運営する株式会社キッズライン(本社:港区六本木/代表取締役社長:経沢香保子)は、「こども家庭庁企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」に関するアンケート調査を2024年10月25日~10月29日の期間で実施いたしました。ベビーシッター割引券利用経験のある237名が回答した調査では、補助額の増額や利用用途の拡大を求める声が多く寄せられました。



〈要点〉
? 利用者の57%が「保育園からのお迎え後、自宅での見守り」にベビーシッター割引券を活用
? 今年度厳格化された「割引券の購入枚数制限」について、62.4%が弊害を感じている
? 割引券の申請システムにおける使い勝手の悪さを74.2%が実感
? 補助額の増額や利用用途拡大の要望が多く、「塾や習い事の送迎」「公園など長時間の外遊びでの利用」「親の体調不良時など勤務時間外の利用」を求める声が目立つ
? 制度改善に向けた提案:利用ルールの改善とシステム利便性向上が求められる

※「企業型ベビーシッター割引券」の詳細につきましては、本プレスリリースの下部にまとめております。併せてご覧いただければ幸いです。
■ベビーシッター割引券の利用状況~保育園へのお迎えから自宅での見守りが57%
まずこの制度の利用者の状況について、調査結果を紹介します。
●ベビーシッター割引券利用を利用する子の年齢
割引券の利用対象は、主に2歳から6歳の子どもを持つ家庭となっています。この他、学童保育を利用できない家庭や、親の仕事により夜間や休日などの保育ニーズが生じる家庭で多く利用されています。



●ベビーシッター割引券の利用用途
利用目的としては、「保育園や小学校からのお迎え後、自宅での見守り」が最も多く挙げられています。また、リモートワーク時や休日出勤時の利用も2割以上を占めており、多様な親の働き方に対応した制度利用が伺えます。



●ベビーシッター割引券の利用頻度
利用頻度に関しては、月に10枚以下の利用は少数派であり、約半数の家庭が月に11枚以上の割引券を使用していることが明らかになりました。



■割引券受け取りに関する課題と改善点~62.4%が購入枚数制限の弊害が出ていると回答
次に、割引券の受け取りについて詳しく調査を行いました。その結果からは、以下の5つのポイントにおいて、利用者が抱える課題が明らかになりました。
●ベビーシッター割引券の充足度
まず、「利用したい時に時に使えているか」について、53.6%の利用者が使いたい分だけ利用できていない現状が浮き彫りになりました。



●ベビーシッター割引券を受け取るまでの期間
次に、「割引券を受け取れるまでの期間」に関しては、割引券の申請から受け取りまでに時間がかかることが課題となっています。調査では、職場から即日で割引券を受け取れると回答した人はわずか18.6%にとどまり、急な残業や子どもの体調不良などの突発的なニーズには割引券が利用できていない家庭が多数存在することが明らかになりました。



●ベビーシッター割引券の受け取り状況
また、「利用前に受け取れているか」についても、22.8%の利用者が利用希望日までに割引券を受け取れず、結果として申請に間に合わなかったと回答しています。これより、本来割引券を活用できるはずのケースで使用できない事態が発生していることが分かりました。



●勤め先からの返還要請の割合
さらに、「勤め先に戻してほしいと言われたことがあるか」という質問では、35.4%の利用者が一度受け取った割引券を勤め先から返却を求められた経験があると答えています。これは企業規模によって割り当てられた購入枚数制限があるために、従業員の要望に応じて適切に割引券の受け渡しができていないことを示しています。



●枚数制限厳格化についての受け止め
最後に、昨年度から設けられ今年度に厳格化された枚数制限についてヒアリングしたところ、62.4%が現在の枚数制限に対して弊害を感じていると回答しました。特に、勤め先が購入できる枚数が厳格に制限されているため、必要な分の割引券が従業員に行き渡らず、利用希望者がサポートを受けられない状況が生じています。



以上の結果は、購入枚数制限が厳格化されたことにより割引券制度が利用者のニーズに十分応えられていない現状を示しています。本来、仕事と育児の両立を図るために設けられた制度ですが、現状では働く親の要望に即した運用ができていない状態にあります。柔軟な運用ルールの導入や改善が求められています。
■入力操作の利便性向上に向けた課題~74.2%が使いにくさを実感
●入力操作の利便性について
入力操作の利便性に関する調査では、74.2%が「申請画面操作が使いにくい」と回答しています。特に「1枚ずつ氏名や生年月日を入力すること」については87.3%が不便を感じており、システム面での改善を求める声が大多数を占めました。



●入力操作で不便に感じる点
具体的には、子どもの生年月日や氏名など毎回同じ情報を入力する手間、カレンダー操作の煩雑さ、入力内容の確認・修正の困難さなどが指摘されています。



【利用者からの不便の声】
●とにかく使いにくい。生年月日もカレンダーをひたすらクリックして西暦を遡らなければいけなくて、使い勝手が悪すぎる。一枚ずつ利用日時を入れるのも都道府県を毎回入れるのも面倒。子ども2名分で一度に4枚も重複した内容を入れるのは大変。(千葉県/40代女性)
●割引券の入力に時間がかかるので簡略化してもらいたい。子どもの氏名、生年月日はプルダウンで選択できるようにしてほしい。(東京都/40代女性)
●子どもの情報は変わる訳ではないのに毎回入力しなくてはいけない。また自分で修正ができないため慎重な入力が必要で、とても時間がかかります。1枚ずつに別々のリンクが発行されることも、何枚使用したのか分かりづらく、管理・入力にも時間がかかっています。(熊本県/30代女性)

■育児支援制度改善に向けた声~補助額増額と利用用途拡大への強い要望
●ベビーシッター割引券制度への改善要望
調査では、制度面での改善要望として、補助額の増額や利用用途の拡大を求める声が多く寄せられました。現行の1日4,400円の補助額については、実際の利用コストとの乖離が指摘されています。



●拡大を希望する利用用途
また利用用途の拡大については、現状では割引券の対象外とされている塾や習い事への送迎や送迎のみの利用、長時間の外出での利用についても、育児環境に即して利用範囲として認めてほしいという声が多く寄せられています。
加えて、親の体調不良時といった勤務時間外の利用についても、割引券の利用を希望する声が目立ちました。育児をしながら労働を継続するためには、親自身のリフレッシュや通院、体調回復のための時間を確保する必要があるという意見が複数寄せられました。




【利用者からの改善要望】
●シングルマザーでフルタイム勤務です。4年生になったら急に子どもだけで夜留守番できると思っている人がこのような制度にしたのだと思います。適用対象年齢をせめて6年生まで引き上げてください。お願いします。(神奈川県/40代女性)
●子供が3人いるので、利用出来る回数が全然足りない。家族ごとではなく、子供人数によって、利用限度枚数を決めてほしい。(東京都/40代女性)
●交通機関で働いているため、直前に勤務時間が変更になることがあり、突発的にベビーシッターを利用することがあるが、割引券が事前申請のみなので使えない(今年度より設けられた企業内独自ルール)。使うことが出来るはずなのに、シフト勤務者にとって不便なルールのために利用出来ないことで、不公平感を強く感じている。(東京都/30代女性)
●就労時間のみに限られている点。私用(通院や日用品の買い物等)の時間は含んではいけないことや親の体調不良時に使えないことを改善してほしい。(東京都/30代女性)
●在宅勤務ですが、どうしても作業部屋と子ども部屋を区切るのが難しいため、会議などが入っている時間帯は頼めません。その時間帯は外の図書館に連れて行っていただくなどの利用ができるとありがたいです。(東京都/30代女性)
●学童に希望しても入れないため、子どもを預かってもらえる習い事を入れている場合があり、そこでの送迎が認められない制度は変えて欲しい。また、学校から学童への送迎が認められないのは、治安状況が悪化する昨今、時代と逆行していると思う。(東京都/40代女性)
●子供の運動能力低下が問題視されている中、外遊びがNGとなっている理由がわかりません。子供達が外で遊びたいと言っても、家の中だけだと説得するのが大変です。遊びの枠を大人が制限するのは良くないと思います。(栃木県/30代女性)

■制度の課題と改善策~より実効性のある子育て支援に向けて
今回の調査結果では、企業主導型ベビーシッター支援制度が、子育て世帯の支援に一定の役割を果たしながらも、現代の働き方や子育ての実態に十分対応できていない現状が浮き彫りになりました。

特に顕著なのは、枚数制限によりベビーシッター割引券を利用したい家庭が思うようにできていない点です。勤め先への申請が必要な現行の仕組みでは、急な残業への対応は難しく、病児保育の補完としての機能も限定的です。システム面での煩雑さも相まって、支援を必要とする子育て家庭が制度を十分に活用できていない実態が明らかとなりました。

また、利用用途の制限が子育てニーズと乖離している点にも改善を求める声が上がりました。特に居住空間が狭い都心部においては、長時間の外出による保育も利用用途として認めてほしいという家庭の要望は切実です。塾や習い事への送迎のみの利用も子の成長段階によって必要となってきます。これらの点において、より実態に即した柔軟な制度設計が求められます。

本制度を真に実効性のある支援とするためには、デジタル化による利便性の向上はもとより、枚数制限や利用条件の緩和など、子育て家庭が望む方向への制度修正が急がれます。働く親の誰もが安心して子育てと仕事を両立できる社会の実現に向けて、本制度を含む子育て政策の更なる改善を期待します。

当社は本調査結果を関係機関と共有し、より良い子育て支援の実現に向けて、引き続き取り組んでまいります。
※「企業型ベビーシッター割引券」とは
「企業型ベビーシッター割引券」はこども家庭庁が管轄する「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」で発行されている電子割引券です。仕事などの理由によるベビーシッター利用が、お子様1人につき1回あたり4,400円(2,200円×2枚)割引になります。
利用できるのは、厚生年金保険の被保険者である企業の従業員、経営者、役員で、勤務先の法人が制度を導入していることが条件です。この割引券は、企業が1枚あたり70円(大企業は180円)で全国保育サービス協会より購入でき、従業員は勤務先から交付を受けることでこの割引券を利用できる仕組みです。
「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」は、仕事と子育ての両立支援を目的とし、厚生年金保険加入の被保険者を使用する事業主が税金として納めている「子ども子育て拠出金」(拠出金率0.36%)を原資とする予算事業となっています。
【企業型ベビーシッター割引券の利用条件】
?対象者:
  ・従業員(正社員、契約社員、パート・アルバイトなど)
  ・厚生年金の被保険者である代表者・役員
  ※勤務先の法人が制度を導入していることが必須
?使用条件:
  配偶者の就労、病気療養、求職活動、就学、職業訓練等により、又は、ひとり親家庭であることにより、
  サービスを使わなければ就労すること(職場への復帰を含む)が困難な状況にあること。
  「自宅での保育」及び「(自宅での保育を含む)保育施設への送迎」のみが対象。
?割引券が適用にならない例:
  ×ご自宅以外の場所(屋外、児童館、祖父母宅など)でのお子様のサポート
  ×習い事や塾など「保育施設以外」への送迎、保育施設間の送迎
  ×お子様の病院への送迎、受診付き添いを含むサポート
  ×就労時間外のサポート
  ×ご自宅以外の場所での親御様との引き渡し 等
?お子様の年齢制限
  小学校3年生まで(世話や介護等が必要な場合は小学校6年生まで)
?枚数の上限
  対象児童1人につき1日あたり2枚(4,400円)まで利用可能
  1家庭につき月あたり24枚(52,800円)まで利用可能
  1家庭につき年間280枚(616,000円)

本制度については、令和5年10月2日にベビーシッター割引券が想定枚数に達したため年度途中で購入停止され、約2週間後の10月17日より購入再開されました。
昨年度の停止と再開を踏まえ、令和6年度は70万枚の予算が計上されています。
併せて、適正な執行管理を図るため
1.各企業の1回当たり申込上限枚数を年間上限枚数の1/12から1/24へ変更
2.従業員規模1,000人単位の階層で設定されている各企業の年間申込枚数の上限設定を細分化(下記表参照)
というルールが加わっています。

※こども家庭庁作成「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の運用状況」より引用

■ キッズラインとは



「キッズライン」は、スマートフォンから簡単に利用できるベビーシッターおよび家事代行のマッチングプラットフォームです。現在、全国47都道府県で活動するサポーターは4,350名以上(2024年11月現在)。利用者は事前にサポーターの詳細なプロフィールや口コミ評価を確認して、24時間オンラインで手配できます。
サービスに登録できるベビーシッターは、特定の資格や研修(※1)をクリアし、弊社の面接および研修に合格した者のみとなっています。
家事サポーターは、整理収納アドバイザー資格を有する方や飲食店勤務経験者、豊富な主婦経験を持つ方が選考を通過し、活動しています。
累計依頼件数は210万件を突破し、全国各地の自治体とも連携。法人経由では2300社以上の従業員の方に、育児や家事のサポートをご利用いただいています。また、安心してサービスを利用いただくために「安心安全対策10箇条」(※2)を策定しています。
詳しくは、公式サイトをご覧ください。
サービスTOP|キッズライン
(※1)<該当する資格・研修>
保育士(保母は対象外)/看護師/准看護師/子育て支援員研修(地域保育コース)/家庭的保育者等研修/全国保育サービス協会(ACSA)認定ベビーシッター/全国保育サービス協会(ACSA)ベビーシッター養成研修+現任研修/全国保育サービス協会(ACSA)居宅訪問型基礎研修

(※2)キッズライン「安心安全対策10箇条」
https://kidsline.me/about/safety10

<キッズラインサポーターの活動エリア>
北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 新潟県 富山県 石川県 福井県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

■調査概要
・調査主体:株式会社キッズライン
・調査期間:2024年10月25日(金)~10月29日(火)
・調査対象:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業利用者237名
・調査方法:インターネット調査

?本プレスリリースのお問い合わせ先
取材フォーム|キッズライン

■会社概要
株式会社キッズライン
代表者:経沢 香保子
事業内容:インターネットを使った女性支援事業、育児支援事業、家事支援事業
所在地:東京都港区六本木5-2-3 マガジンハウス六本木ビル7F

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