鹿島建設旧本社ビルを下層から解体-世界初の工法で実用化

鹿島旧本社ビルで「だるま落とし」のようにビルを解体する新工法を実施。写真は工事が始まった4月の様子(4月4日撮影・左)と工事が進んだ7月時点の様子(7月24日撮影・右)。

鹿島旧本社ビルで「だるま落とし」のようにビルを解体する新工法を実施。写真は工事が始まった4月の様子(4月4日撮影・左)と工事が進んだ7月時点の様子(7月24日撮影・右)。

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 鹿島建設(港区元赤坂1)は中高層ビルを「だるま落とし」のように下階から解体する世界初の「鹿島カットアンドダウン工法」を開発し、鹿島旧本社ビル(元赤坂1)で同工法の実演解体工事を行なっている。

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 同工法はジャッキを用いて、中高層ビルを「だるま落とし」のように、ビルの下階から各階を順次解体するもので、地上付近だけで解体作業を行う。これまで煙突や鉄塔などの解体では、ジャッキを利用し、下階から解体する工法が適用されていたが、ビルに採用されるのは世界初の事例となる。

 同工法では、解体する建物内部に「コアウォール」と呼ばれる構造体を新たに構築し、建物基礎部分と連結させることで、耐震性を維持したまま下階を解体する。地上階には、同工法の解体工事用に製作したジャッキを設置し、ビルの荷重を支えるとともに、ビルの下降作業を行う。

 これまでのビルの解体では、重機や作業員が最上階に上がり、上階から解体し廃材を降ろす工法が採用されていた。「近年のビルの高層化に伴い、解体作業における騒音や粉じんの飛散、作業員の安全性や近隣が抱く不安感などの留意すべき内容が増大しており、そうした背景から高層ビルの画期的な解体方法はないかと同工法を開発した」と同社は説明する。

 同工法を採用し下階で解体作業を行うことで、騒音や粉じんの飛散を抑制し、作業員の危険性や近隣の不安感を抑制するだけでなく、解体工事で発生する廃棄物のリサイクルするための分別作業の向上にもつながるという。

 実演を行っている旧本社ビルは、第1棟=地上17階(最高高さ65.4メートル)、第2棟=地上20階(最高高さ75.3メートル)。現在、第1棟の解体作業はほぼ終了し、第2棟の19階の解体まで作業が進んでおり、9月末までに第2棟の塔屋など残余部分を解体する予定。

 「この工法の適用対象としているのは、20階建て程度の鉄骨造ラーメン構造のビルだが、旧本社ビルの解体工事で得られる技術的知見を収集し、同工法の更なる展開を図っていく。将来の超高層ビル解体に向けて汎用性を高めていきたい」(同社)。

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