国立国会図書館(千代田区永田町1)で3月9日、「これからの大学図書館:グーグル化する世界と将来展望」をテーマにした講演が行われる。
同館は、図書資料の利用と保存の両立を図る手段として、積極的に資料のデジタル化に取り組んでいる。出版界に大きな衝撃を与えたグーグルによる書籍のデジタル化問題に関しては、図書館界も、いまなおその対応を模索しているという。
講師を務めるのは米・メリーランド大学図書館長のパトリシア・スティールさん。1981年から2008年までインディアナ大学図書館で図書館長職を歴任し、昨年9月から現職。これまでにグーグルとの提携を推進し、書籍デジタル化プロジェクトへの参加も行ってきた。講演は、グーグルとの積極的な提携を打ち出すことで、出版界の新たな活路を見出す方向を打ち立てたスティールさんの経験、ビジョン、米国の大学図書館の事例紹介を中心に行う。
「資料のデジタル化について考える上での参考になればと企画した。出版界、図書館界の今後について、多くの示唆を得られる講演会にしたい」と同館の岡久慶さん。「デジタル化時代における著作権、出版文化のあり方といったことに興味をお持ちの方に広く参加いただきたい」とも。
開催時間は13時~15時。参加無料。定員は300人で先着順。同館ホームページで申し込みを受け付けている。