企画展「かき氷大百科展」が6月9日、赤坂の老舗和菓子店「とらや 赤坂店」(港区赤坂4)の地下1階にある「虎屋 赤坂ギャラリー」で始まった。
同展では、1000年以上前の平安時代から日本には夏に氷を食べる習慣があったことに着眼。かき氷の歴史や名前の由来、おいしい氷を作る秘訣(ひけつ)、世界のかき氷など、多彩な切り口でかき氷を紹介する。
会場のメインコーナーは4つ。「かき氷の歴史」コーナーでは、紫式部、源頼朝、徳川家康も登場する日本人と氷の歴史を年表にまとめ、かつては上流階級のみのぜいたくであった夏の氷が、庶民の味として広まるまでを紹介。清少納言が「枕草子」の中で上品な美しさとたたえた、当時貴重であった甘味料の「甘葛(あまづら)」をかけたかき氷をパネルと再現した模型での展示も行う。
「おいしさの秘密 氷・シロップ・器」コーナーでは、かき氷向けのおいしい氷が工場で作られる工程を動画で紹介するほか、みぞれ・宇治金時・ブルーハワイの名前の由来、東西のシロップのかけ方の違いなどのかき氷のうんちくを、懐かしい氷削り器の「きょろちゃん」、氷シロップなどと共に展示する。
「ご当地かき氷・世界のかき氷」コーナーでは、日本の地域独自の珍しいかき氷、世界各地のかき氷や氷スイーツを写真やイラストを交えて紹介する。「とらやのかき氷」コーナーでは、2022年度に提供するかき氷のラインアップを、「虎屋菓寮」スタッフのお薦めコメントと共に紹介する。
ほかにも、フォトスポットとして会場入り口には、かき氷店の客から店員まで全て擬人化した猫が描かれた明治時代の錦絵「新版ねこの氷屋」を引き伸ばしたパネルを用意。会場中央では、「レトロなカフェー」をイメージしたしつらえを配置。昔ながらの椅子に腰かけて撮影できる。
とらや広報担当者の小谷由香里さんは「かき氷好きな『かきごーらー』必見の内容になっている。コレクターも多いガラスの氷コップや、『虎屋菓寮』でかつて使っていた氷削り器、手拭いや文房具といったグッズまで、さまざまなものを展示する。会場の最後には、とらやの宇治金時ができるまでを動画で紹介するので、見終わった後は、かき氷が食べたくなること間違いなし」と話す。
開催時間は9時30分~18時。毎月6日定休。入場無料。9月25日まで。