国立国会図書館(千代田区永田町1、TEL 03-3581-2331)が5月19日、「個人向けデジタル化資料送信サービス」を始めた。
同館が所蔵するデジタル化資料のうち、絶版などの理由で入手困難なものを、利用者自身のパソコンやスマートフォンなどを使いインターネット経由で閲覧できる同サービス。
同館によると、著作権法の一部を改正する法律が施行されたことに伴い新設した同サービスは、コロナ禍の現在、公立図書館や大学図書館などに来館しなくても閲覧可能なデジタル化資料のニーズが研究者や学生等の個人から高まった背景もあるという。
閲覧できる資料は、「国立国会図書館デジタルコレクション」で提供している資料のうち、絶版などの理由で入手が困難であることが確認された資料が対象。1968(昭和43)年までに受け入れた図書等約55万点、明治期以降に発行された雑誌のうち、刊行後5年以上経過したもので、商業出版されていないもの約82万点など、計約152万点の資料が対象となる。
今後デジタル化する資料についても、入手困難資料を確認する手続きを経て、送信対象に追加していく方針。サービス開始当初は閲覧のみだが、2023年1月をめどに印刷機能の提供も行う予定という。
サービス利用は同館の利用者登録をした日本国内に居住している人が対象。登録には本人確認書類の提示が必要だが、5月19日からインターネットでの登録手続きも可能となった。
同館広報担当者は「当館所蔵資料のうち利用者自身のパソコンなどでご覧いただける資料の点数が大幅に増加した。ぜひ多くの方々に当サービスをご活用いただきたい」と話す。