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明治記念館で本屋大賞発表 大賞に逢坂冬馬さん「同志少女よ、敵を撃て」

2022年本屋大賞に選ばれた「同志少女よ、敵を撃て」著者の逢坂冬馬さん

2022年本屋大賞に選ばれた「同志少女よ、敵を撃て」著者の逢坂冬馬さん

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 「2022年本屋大賞」の発表会が4月6日、明治記念館(港区元赤坂2)で開催された。大賞は、逢坂冬馬さんの小説「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)が選ばれた。

翻訳小説部門で受賞した矢島暁子さん

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 出版業界の活性化を目的に、毎年全国の書店員の投票によって選出される同文学賞。キャッチコピーに「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」を掲げる。今年で19回目を迎え、昨年は町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」が受賞した。

 逢坂さんは、1985(昭和60)年生まれ、横浜市出身の小説家。2008(平成20)年、明治学院大学国際学部国際学科を卒業した。昨年、同作で「早川書房」と「公益財団法人早川清文学振興財団」が主宰する長編推理小説の公募新人賞「アガサ・クリスティー賞」を受賞してデビューした。

 ストーリーは、独ソ戦が激化する1942(昭和17)年が舞台。モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマは急襲したドイツ軍によって、母親であるエカチェリーナの命が奪われ、共に暮らす村人たちも惨殺された。やがて狙撃兵になることを決意し、戦いに挑む中で変化するセラフィマの心境などが描かれている。

 受賞について、逢坂さんは「今回の受賞で、多くの書店委員さまに愛されているという実感が湧いた。このような素晴らしい賞を、デビュー作にも関わらず選んでいただき感謝の気持ちでいっぱいになった。(中略)戦争に反対し、平和構築のための努力を、小説を書くうえでしていく」と話す。

 大賞以下の順位は、2位が青山美智子さんの「赤と青とエスキース」(PHP研究所)、3位が一穂ミチさんの「スモールワールズ」(講談社)となった。当日は翻訳小説部門も発表され、ソン・ウォンピョンさん(矢島暁子さん訳)の「三十の反撃」(祥伝社)が1位に、発掘部門「超発掘本!」では吉村昭さんの「破船」(新潮文庫)が1位に選ばれた。

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