謎のデザイナー「小林かいち」-ニューオータニ美術館で展覧会

モダンなデザインの、かいちの作品。「二号街の女」(伊香保 保科美術館蔵)。

モダンなデザインの、かいちの作品。「二号街の女」(伊香保 保科美術館蔵)。

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 ニューオータニ美術館(千代田区紀尾井町4)で7月11日から、「謎のデザイナー 小林かいちの世界」が開催される。

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 小林かいちは、大正後期から昭和初期にかけて京都で活動した図案家。絵葉書や絵封筒のデザインを多く手がけ、ハートや月、星、バラ、トランプ、十字架など、西洋的モチーフを用いたアール・デコ調の作品は、当時、女学生の間で人気を博した。

 1968年に逝去したが、没後、竹久夢二など抒情画家とのグループ展に作品が展示されるようになり、初の個展は2007年の「小林かいちの世界~京都アール・デコの真髄展」。近年になり、評価が高まりつつあるデザイン画家で、本展ではかいち作品の常設館である保科美術館(群馬県伊香保市)の全面協力を得て約300点を出展。東京で初の大規模な展覧会となる。

 「謎の多い人物で、今年になって遺族が発見されるまでは、本名や性別、生没年も明らかにされていなかった。正確な作品点数や私生活などの履歴は、未だ解明されていない」と同館広報の堀口勝信さん。「モダンな色彩感覚やデザイン力が魅力で、4枚1セットの絵はがきからは、物語が生まれてきそう」とも。

 4枚1セットの「かいちの絵はがき」は、いずれも、かいちデザインの袋入り。刻々と移ろう時間の流れや、登場人物の心情の変化がストーリー仕立てで描かれている。

 開館時間は10時~18時。入場料は一般=800円、大高生=500円、中小生=300円。月曜休館。8月23日まで。7月25日、8月8日の14時から、学芸員によるギャラリートークも予定。

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