日枝神社(千代田区永田町2)で6月7日、「山王祭(さんのうまつり)」が始まる。
同祭は、京都の祇園祭や大阪の天神祭と並ぶ日本三大祭りの一つに数えられるほか、神田祭、深川八幡祭と並ぶ江戸三大祭の一つにも数えられ、本祭は神田祭と隔年ごとに行われている。徳川時代には江戸城内にみこしが入ることが特別に許され、三代将軍家光公以来、歴代の将軍が上覧拝礼する「天下祭」として盛大を極めたことでも知られている。
13日は、本祭となる今年最大の見せ場である徳川時代から続く祭礼行列「神幸祭(じんこうさい)」が行われる。平安装束などを身にまとった総勢500人ほどの総代役員や氏子青年協力のもと、御鳳輦(ごほうれん)、宮みこし、花山車、美少年山車などと共に、国立劇場、皇居坂下門、日本橋、銀座といったオフィス街を300メートルにも及ぶ大行列がほぼ1日かけて練り歩く。現在は、皇居坂下門前で列を止め、祝詞(のりと)と巫女(みこ)2人による剣の舞が奉奏される駐輦(ちゅうりゅう)祭が行われ、宮司以下神社役員が皇居に参内(さんだい)し神符(しんぷ)を献上する。
8日は、3歳~6歳の子どもが華やかな稚児装束を身にまとい心身共に健やかに育つことを願う「夏越稚児祭」。14日は、茅の輪をくぐり災厄をはらい延命長寿と無病息災を祈る「山王御祓並鎮火祭」が行われる。ほかにも、「氏子各町連合宮入」「嘉祥祭菓子接待席」「煎茶礼道日泉流野煎席」「納涼大会・山王音頭」など、さまざま奉祝行事が予定されている。
「江戸時代、場内にみこしが入り、将軍の上覧拝礼を受けた格式のある祭。皇居となった今も坂下門にてこの祭事が執り行われている。本年も厳粛に行いたい」と広報担当の伊久さん。
行事日程は同神社ホームページで確認できる。17日まで。