「2026年本屋大賞」の発表会が4月9日、明治記念館(港区元赤坂2)で開催された。大賞は、朝井リョウさんの小説「イン・ザ・メガチャーチ」(日経BP 日本経済新聞出版)が選ばれた。
出版業界の活性化を目的に、毎年全国の書店員の投票によって選出される同賞。キャッチコピーに「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」を掲げる。今年で23回目を迎え、昨年は阿部暁子さんの「カフネ」(講談社)が受賞した。
朝井さんは1989(平成元)年、岐阜県生まれ。2009(平成21)年、「桐島、部活やめるってよ」で「第22回小説すばる新人賞」を受賞してデビューした。2013(平成25)年には「何者」で第148回直木賞、2014(平成26)年には「世界地図の下書き」で第29回坪田譲治文学賞、2021(令和3)年には「正欲」で第34回柴田錬三郎賞を受賞している。
ストーリーは、アイドルグループの運営に関わる男、積み重なる心労を癒やしたい大学生、とある報道をきっかけに状況が一変する女の3人を軸に展開する。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側という異なる立場から、人の心を動かす「物語」の功罪を描く。
受賞について、朝井さんは「これまで書いた『正欲』『生殖記』『イン・ザ・メガチャーチ』の3作に通底するテーマは『生きる推進力』。人間そのものというより、人を取り巻く構造や現象を書いてきたのかもしれない。本屋大賞というかたちで評価いただけて本当にうれしい」と話した。
大賞以下は、2位=佐藤正午さんの「熟柿」(KADOKAWA)、3位=村山由佳さんの「PRIZE―プライズ―」(文藝春秋)。当日は翻訳小説部門も発表され、メリッサ・ダ・コスタさんの「空、はてしない青」(山本知子さん訳、講談社)が1位に、発掘部門「超発掘本!」では原田宗典さんの「旅の短篇集 春夏」(角川文庫)が選ばれた。