社民党本部がある永田町の社会文化会館(千代田区永田町1)屋上で、岩手県盛岡市の藤原養蜂場が3月22日より養蜂を行っている。
藤原養蜂場は、盛岡市で創業110年を誇る老舗(しにせ)。この出張養蜂は、同社代表の藤原誠太さんが「皇居や国会議事堂の周辺は街路樹としてたくさんの木が植えられているので、ここなら養蜂ができるのでは」と2001年に開始。今年で10年目を迎える。
現在、皇居や国会議事堂を中心としておよそ100万匹の蜂が蜜を採取している最中。今年の採取状況は良好で、「4月中頃には桜の蜂蜜を出荷できる見通し」だという。
皇居周辺をジョギングコースとする「皇居ランナー」の増加により、一般人の通行も多いエリアだが、「蜂はこちらから攻撃しなければ人を襲うようなことはしない。昔から様々な分野で研究対象となってきたように、蜂はその土地の環境に順応できるたいへん賢い生物」と藤原さん。
また、東京で養蜂を行うことに関して、「田舎は自然が多いから都会よりいい蜂蜜が採れると決めつけるのは間違い。都会は田舎と違い人口が密集しているので、街路樹などに農薬を使えない。反対に、田舎の森では環境保護という名目のもと、とても多くの農薬が散布されてしまっている。そのため、実は都会の方が質の高い蜂蜜が採れる環境が整っている」と話す。「最近の田舎は蛾が増えている。これは農薬の散布が年々増加している証拠。一方、都会で蛾を見ることはまれ。その土地の花と直に接する養蜂を通して、そこが本当に安全かどうかが見えてくる」とも。
藤原養蜂場が東京で採取した蜂蜜は、岩手県のアンテナショップや通信販売などで購入することができる。
社会文化会館での養蜂は5月末まで。