赤坂氷川神社(港区赤坂6、TEL 03-3583-1935)は現在、地震後の復旧作業を進めるとともに「東北関東大震災義援金」を募っている。
文化財燈籠(とうろう)の崩壊や築地塀(ついじべい)の変形など、地震の被害を受けた同神社だが、「幸い参拝者を含めてけが人もなく、築280年の社殿自体に目立った損傷はなかった。被災地の状況を鑑みれば、復旧が可能な損傷ということでありがたく思わなければ」と同神社禰宜(ねぎ)の恵川義浩さん。
4月上旬まで、挙式のキャンセルも相次いだ。親族が東北にいる人、実際に被災された人、自分たちだけがお祝いムードでは申し訳ないと自粛する人など、キャンセルの理由はさまざまだという。恵川さんは、「挙式を行ったが『素直に喜べない』と吐露された新郎新婦もいらっしゃった。今回の大災害は誰のせいでもない。その中で、そのような気持ちで式に臨まれるのは奉仕する側にとっても心苦しい」と心を痛める。「氏神神社として、当地域の活性化、地域コミュニケーションの向上にできる限り取り組んできた。元の元気な地域に一日も早く戻ってとほしいと心底願っている。救援活動は自身が元気でないと、できないこともある」とも。
震災後、社頭には日本赤十字への義援金募集箱を設置。多くの参拝者がさい銭箱に入れるお金を、代わりに募金箱に入れていくという。赤十字の募金が9月末までの受け付けであることから、同神社も同期間で募金を呼び掛ける予定。
「被災地が第一だが、並行して地域が元気になり、その輪がより大きくなるよう神社としても取り組んでいきたい」(恵川さん)