東日本大震災から2週間が経過したが、依然として赤坂の夜の街に人影は少ない。
赤坂bizタワー前の「Bar kisala(バー・キサラ)」(港区赤坂3、TEL 03-6277-8322)の店主・橋詰浩さんは「レストランなどと違い、バーは食材の仕入れに影響されないが、基本的に2軒目としての利用が多いため、結果的に大きく客足を落としている」と苦しい現状を明かす。
「近隣住民や赤坂で働くビジネスマンがうちの主な客層。今は接待などを自粛するムードにあるため、ビジネスマンの利用はほとんどなくなってしまった。店を心配して常連さんが数人来てくれるだけ。先の見通しは暗い」と橋詰さん。「バーは時節に左右されず、『いつも変わらずやっていること』に価値がある思う。だから、停電しない限りは時間も変えず普段通りの営業を続けていくつもり」とも。
同店では震災を受け、宮城県産の高級ウイスキー「宮城峡」による売り上げの一部を寄付するキャンペーンを始めた。ショット1杯を1,500円で提供し、「1本空いたら1万円寄付する計算」だという。
「震災以来、社会全体が自粛ムードに包まれていて、『こんな時にお酒を飲むなんて』と飲酒に抵抗を覚える人も少なからずいる。大きなキャンペーンではないが、こうした取り組みを通じて、そんな方の気持ちを少しでも軽くしてあげることができれば」
営業時間は14時~翌1時。日曜定休。