衆・参両院(千代田区永田町1)の決議により、2010年は「国民読書年」。今年から国立国会図書館(千代田区永田町1)などさまざまな団体が読書をテーマとしたイベントを開催する。
もともとこの採択は、2009年6月6日に「国民読書年に関する決議」にて決定。日本人の読書離れが進み、それが現代人の言語力や読解力の衰退、精神的な文明の変質を招く原因になっているのではないかと危惧し、決定された。これまで政府は1999年には「子ども読書年に関する決議」、2001年には「子どもの読書活動の推進に関する法律」を立法、2005年には「文字・活字文化振興法」を制定するなど、以前から読書に対する啓蒙活動を行ってきた。「文字・活字文化振興法」の制定・施行5周年にあたる今年、「国民読書年」を制定した。
すでにテレビ、雑誌、新聞、ラジオなどさまざまなマスメディアを通じて啓蒙活動が行われ、『国民読書年』をピーアールするテレビ番組なども放映されている。国会図書館の広報・渡辺さんは、「日本一の蔵書量を誇る当館では、2010年はこれまでにない蔵書の展示や、さまざまなイベントを開催する予定。読書年を通し、より多くの人たちに読書を楽しんでもらえれば」と話す。
近年、学校での「朝の10分間読書運動」が浸透したり、学校だけでなく家庭、地域全体で読書を推進する「読書のまちづくり」が広がったりするなど、読書に対する国民意識が再び高まりを見せている。