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国立国会図書館・ミニ電子展示「本の万華鏡」で「絵本のむかーしむかし」公開

(左から)明治の赤本「むかし噺(ばなし)桃太郎」と江戸後期の豆本「桃太郎宝蔵入」の表紙

(左から)明治の赤本「むかし噺(ばなし)桃太郎」と江戸後期の豆本「桃太郎宝蔵入」の表紙

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 国立国会図書館(千代田区永田町1、TEL 03-3581-2331)ウェブサイト内のミニ電子展示「本の万華鏡」で現在、「絵本のむかーしむかし」が公開されている。

御伽草子・第16冊「ねこのさうし」の一場面

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 「本の万華鏡」は2009(平成21)年5月に始まった企画。さまざまなテーマに沿い、同館が所蔵する「資料の世界へと誘う気軽な読み物」を公開している。毎回テーマを決め時間をかけて作り上げるため、年1~2回のペースで新しい展示を発表している。

 今回の展示では、昔話の絵入り本がどのように読み継がれてきたのかに着目。明治時代・江戸時代に子ども向けに出版された絵入り本の「赤本」や、室町時代から江戸時代初期にかけて作られた短編物語「御伽草子(おとぎぞうし)」などを取り上げ、絵本の形態やストーリーの変遷を2章にわたり紹介する。

 同館展示担当者は「先日まで開催していた絵巻展の終了後も読み物として楽しんでもらえると思い企画した。絵巻と絵本との連続性があることを示すものや、現代でもよく知られている『五大昔話』などを選び構成した」と話す。

 第1章では、江戸~明治時代の昔話と赤本・豆本をテーマに紹介。児童文学作家でもある巌谷小波が江戸時代から伝えられていた昔話を集成し、当時の代表的な出版社の一つだった博文館が『日本昔噺(むかしばなし)』として、子ども向けに活版印刷で出版したことや、江戸時代の子ども向けの絵本を指した「赤本」から「かちかち山」「花咲爺(はなさかじい)」を一例として紹介。子どもの手のひらに載るほどのサイズの「豆本」についても触れる。

 第2章は「御伽草子(おとぎぞうし)の世界」をテーマに紹介。サイト内では「御伽草子」の誕生や広がり、「御伽草子」の呼称の元になった江戸時代の双書23編から「猫の草子」「一寸法師」「浦島太郎」などを説明とともに紹介する。このほか、同館のデジタルコレクションを通して活字で読むことができる。室町時代後期から江戸時代中期頃の150~200年間ほどの間に作られた彩色の絵入り写本の「奈良絵本」からは、「物くさ太郎」「かさしのひめ」などを紹介する。

 担当者は「子どもの頃に親しんでいた昔話を、明治時代、江戸時代と時代をさかのぼりながら再発見できる電子展示。絵本の形態や話の筋の変化などからも、昔話が旅してきた時間を感じられると思う」と話す。

 終了時期未定。

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