レストランなどで提供される無料の「水」に100円以上のチップを支払うことで、清潔できれいな水を必要とする世界の子どもたちを支援する「TAP PROJECT」。日本初の試みとして、3月20日~22日の3日間実施された「TAP TOKYO ~きれいな水を、世界の子どもに~」で500万円を超える募金が寄せられたことが、日本ユニセフ協会(港区高輪)、博報堂(赤坂5)から発表された。
TAP主催者の日本ユニセフ協会をサポートする博報堂の呼びかけに賛同し、参加したレストランの数は312店舗。広域赤坂圏でも、赤坂サカス(赤坂5)内の飲食店をはじめ、「RUSTICANELLA」(赤坂4)、「ロウリーズ・ザ・プライムリブ東京」(赤坂2)、「オー・プロヴァンソー」(千代田区平河町1)、「オーバカナル赤坂」(赤坂1)、「オーバカナル紀尾井町」(紀尾井町)、「ルサロンドニナスサンローゼ赤坂」(紀尾井町)などのレストランやカフェ約20店舗が参加。こうした店舗での募金に加え、日本全国から「TAP TOKYO」ウェブサイトや郵便振り込み、ワンクリック募金などを通じ、4月10日現在、総額500万719円の募金が集まった。
日本ユニセフ協会はニューヨークのユニセフ本部を通じ、4月中にこの募金を「TAP TOKYO」の支援先であるアフリカ・マダガスカルに送金。ユニセフ現地事務所が、学校7校での給水設備やトイレの整備、衛生習慣の普及活動をスタートさせる。これにより2,700人以上の生徒と学校の周辺地域の約7,000人が清潔で安全な水を利用できるようになる予定。
日本初の取り組みの結果を、日本ユニセフ協会の広報・浦上綾子さんは「世界の水問題を解決する方法として、レストランの水に寄付するというわかりやすさが受け入れられた。100円という金額も気軽に募金できるという声もいただいた。世界の水の問題について知り、自然に募金に参加することができるのも良かった」と振り返る。
今年参加したシェフやレストランからも、「お客さんから説明を求められてもすぐにできる」「世界の子どもたちの役に立てると思ったら励みになる」「シンプルでいい活動なので1年中やってもいい」など前向きな反応が多数寄せられた。
来年の展開については未定だが、「今年のプロジェクトの成果を踏まえ、地域を拡大して実施していきたい」(博報堂広報担当者)と、来年以降は東京だけに限らず、全国主要都市にも「TAP PROJECT」の輪を広げていく見通し。