千代田区、ホテルニューオータニ内の老樹を区内初の天然記念物に指定

千代田区が天然記念物に指定した樹齢222年以上のイヌマキ。

千代田区が天然記念物に指定した樹齢222年以上のイヌマキ。

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 ホテルニューオータニ内(千代田区紀尾井町)のイヌマキとカヤが樹齢200年以上の老樹であることが分かり、千代田区は4月1日付けでイヌマキとカヤを区内初の天然記念物に指定した。

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 同区では、現在赤坂見附から飯田橋に至る江戸城外堀史跡の保存活動を行っており、同活動の一環として昨年、外堀周辺の現況調査及び植生調査を実施。その調査の際に外堀から近いホテルニューオータニ内のイヌマキとカヤの木が樹齢200年以上の老樹であることが判明し、イヌマキとカヤを区の天然記念物に指定した。

 これまで同区が指定してきた重要文化財は、江戸時代から残る建造物などを対象にした有形文化財、生活習慣や民俗芸能に根付く衣装・器具を対象とした有形民俗文化財が9割を占めており、同区が天然記念物を指定するのは初。同区は皇居を囲むように位置しており、明治維新など多くの変遷を経てきた地域であるため、樹木などもその度に新しく植え替えられたものが多く、天然記念物に指定されたイヌマキとカヤは皇居以外で確認された区内の樹木の中でも最も古いと見られている。

 イヌマキは樹齢222年以上、高さ約21.1メートル、直径85.4センチ。カヤは樹齢218年以上、高さ約17.6メートル、直径93.6センチ。徳川幕府第11代将軍徳川家斉の老中・松平定信が寛政の改革を行っていた1780年~1790年代から存在していたと推測されている。

 イヌマキとカヤが現在植えられているホテルニューオータニは元々、江戸時代には彦根藩井伊家中屋敷があった場所。彦根藩の大名であり、大老の井伊直弼も訪れていたと見られる。「同地域は明治以降には、伏見宮邸など皇族や華族が住む地域であったため、あまり周りの変化を受けず、イヌマキとカヤも残ったのでは」と同区学芸員。

 イヌマキとカヤはホテルニューオータニ内の日本庭園から1段下がった場所に位置し、一般でも見学できる。

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