国立国会図書館(千代田区永田町1)は3月4日より、ホームページ上でブラジル移民の歴史を紹介する電子展示会「ブラジル移民の100年」を始めた。
同展は、ブラジルへの集団的な移民が開始されてから昨年で100周年を迎えたことと、アマゾンへの入植が始まって今年で80周年を迎えることに合わせて企画された。同館が所蔵する資料を中心に写真や文書・手紙等の原資料、当時の新聞記事、図書、動画など約200点を同館ホームページ上で展示し、ブラジル移民の歴史を紹介する。
同館は、納本制度に基づき日本国内で出版された全ての出版物を収集し保存する「国立図書館」の機能を持つ唯一の図書館。日本国内の資料だけでなく、海外に移民した日本人に関する資料を収集・調査することを目的に1984年からブラジル・ペルー・ハワイ・北米などに職員を派遣し、日系移民に関する資料を収集しており、同展ではそれらの資料を公開している。
電子展示会では、ブラジル移民の歴史を時代ごとに7章に分けて解説。日本最初の集団での海外移民となった1868年のグアム島、ハワイへの移民から日系3世・4世として過ごす現在の日系移民の様子に至るまで、事細かにその歴史を紹介。「ブラジル移民とコーヒー」「ブラジル野球」「アマゾンに闘いを挑んだ無敗のコンデ・コマ」などトピックごとに紹介するコラムも用意する。資料は、電子化した画像を掲載するほか、多くの資料や新聞記事などをテキスト化して掲載。ブラジルに住む日系3世・4世も見ることができるよう、ポルトガル語版の電子展示会も開設。同館の憲政資料室でも、新聞など日系移民関係資料を公開している。
「当館にしかない貴重な資料も多い。そうした貴重な資料をより多くの人に公開しようと資料の電子化に力を入れている」と同館。