読売広告社の「都市生活研究所」(港区赤坂5)が9月30日、「3・11震災〈半年後〉の住まい選び意識調査」を発表した。
住生活分野における各種調査研究活動を行う同所は、楽天リサーチと共同で震災後半年となる時期に調査を実施。調査対象は首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)に住む30~50代の男女150人かつ、1年以内にマンション購入のために情報収集活動をしており、今後2年以内にマンションを購入する意欲がある人。
同調査の「これからのマンションに必要とされる機能・性能」という項目では、「省エネ機能(冷暖房効率の高い住まい、LED照明など)」について、「必要」と回答した人が46.0%で最多となり、「やや必要」の39.3%と合わせ85.3%にも上った。また、「創エネ性能(太陽光発電パネルの設置など)」についても、「必要」が36.7%、「やや必要」が39.3%と、大半の人が必要性を感じていることが明らかになった。
また、「魅力的だと思う『創エネ』『省エネ』関連の設備・仕様」という項目では、「LED照明」(69.3%)、「太陽光発電」(59.3%)が上位を占めた。
「震災後に『節電の夏』を経験したことで、住まいのエネルギー問題に対する生活者の関心が高まったことがわかる。『省エネ』だけではなく、『創エネ』への関心が高いのも特徴的」と同所所長代理の柿沼裕之さん。
「今後、積極的に検討したいマンションの物件特性」については、「免震・制振マンション」と答えた人が73.3%と最も多く、震災直後の前回調査と同様に高い水準を示した。また、「大手ゼネコンが施工」(40.7%)、「大手デベロッパーが売主」(38.0%)を挙げる人はやや減少。前回調査より上昇したのは「オール電化マンション」(21.3%)の項目だった。
逆に「今後、できれば敬遠したい物件特性」では、「タワーマンション」(20階以上)が64.7%と最も高く、前回調査よりも上昇。特に女性が「タワーマンション」を敬遠する傾向が強かった。また、「オール電化マンション」と答えた人は36.7%で、前回調査より11%減少した。
「大きな懸念だった電力への不安が落ち着いた結果が表れている。今後もエネルギー問題は、新居購入の際に重要視される材料になるだろう」と柿沼さん。