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サントリーホールの昼休みの無料コンサート 34年の歴史に幕

本日開催された「サントリーホール オルガン プロムナード コンサート」の公演の様子© Koji. Iida | SUNTORY HALL

本日開催された「サントリーホール オルガン プロムナード コンサート」の公演の様子© Koji. Iida | SUNTORY HALL

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 サントリーホール(港区赤坂1)の昼休みの無料コンサート「サントリーホール オルガン プロムナード コンサート」が3月14日の公演を最後に34年の歴史に幕を下ろした。

オルガニストの大平健介さんがリハーサルを行う様子

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 開館5周年を記念して1991(平成3)年10月にスタートした同コンサート。8月を除く毎月、原則木曜のランチタイムに開催。「日常生活の中で、上質なクラシック音楽のコンサートに気軽に足を運んでもらおう」と、同ホールの顔であるオルガンを主役にした無料のコンサートとして始まった。

 同ホールのパイプオルガンは、オーストリアの名門リーガー社製のもので、パイプの総数は5898本、音色を使い分けるストップ数は74と世界最大規模を誇る。毎月のプログラムは出演するオルガニストが企画し、同ホールのオルガンの響きを生かした演奏を披露してきた。

 同ホール企画制作部の黒川照美さんは「オルガンの魅力をより深く、多くのお客さまに伝えていくため、オルガンプロムナードコンサートを終了し、新しくオルガンのトーク&コンサートを始めることになった」と話す。

 当日の演奏はオルガニストの大平健介さんが務め、鍵盤などの動きを電気信号によってパイプオルガン本体に伝え演奏する「リモートコンソール」で開催。曲目は「いざ共に讃(たた)えん、大いなる響き」をテーマに、J.S.バッハの「前奏曲 変ホ長調 BWV 552-1『聖アン』」、大平さんが編曲した同バッハの「カンタータ第147番『心と口と行いと生活で』BWV147より 第10曲『主よ、人の望みの喜びよ』」やメンデルスゾーンの「交響曲第5番 ニ長調 作品107『宗教改革』より 第4楽章 コラール『神はわがやぐら』」など4曲を披露。演奏終了とともに会場が大きな拍手に包まれた。

 黒川さんは「350回を超える開催を支えてくださった、これまでに出演いただいた全オルガニストの皆さまへ心からお礼申し上げる。オルガンのコンサートがこのように定着したことは、皆さまのお力添えあってのたまもの。長らく続いた企画を終了することについては本当に勇気のいる決断だったが、精いっぱいオルガン・コンサートの未来を見据え、何度も議論を重ねた上で決めた。その覚悟を持って、これからはより多角的な方面にパワーアップした公演を届けていくので、期待してほしい」と感謝と抱負を述べた。

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