サントリーホール(港区赤坂1、TEL 0570-55-0017)昼休みの無料コンサート「サントリーホール オルガン プロムナード コンサート」の未就学児と保護者向け公開リハーサルが6月13日、行われた。
1991(平成3)年10月から8月を除く毎月、原則木曜のランチタイムに月1回開いている同コンサート。現在、入場は小学1年生以上が対象で、未就学児は入場不可となっている。
同ホール企画制作部の黒川照美さんは「コロナ以前は小ホール『ブルーローズ』でのライブビューイング、コロナ期間中はオンライン配信と、本公演を未就学の方にも楽しんでいただける機会を試行錯誤しながら提供してきた。コロナを経て、当ホールでの生の音楽を楽しめる唯一無二の希少性や価値を再認識し、大ホールのライブならではの環境でオルガンの本格的な響きを親子一緒に気兼ねなく体験してほしいという思いが改めて強くなった。そこで検討を重ね、初の試みとして当企画を実現するに至った」と話す。
当日は、約30組の未就学児と保護者が参加。開場前には、同ホール正面玄関のパイプオルゴールが奏でられ、音色を楽しんだ。大ホールでの演奏はオルガニストの山司恵莉子さんが務め、鍵盤などの動きを電気信号によってパイプオルガン本体に伝え演奏する「リモートコンソール」で開催。ラングレの「祝祭」、ヴィエルヌの「24の幻想的小品集」、メルカールトが編曲したドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ヴィドールの「オルガン交響曲第5番」といった本番と同じ曲を演奏。最後に山司さんが編曲したモーツァルトの「きらきら星変奏曲」も披露された。
参加した保護者は「会場での空気感が味わえて良かった」「大ホールでのオルガンは初めてだった。親が思うほど静かに聞いていることはできなかったが、オルガンの音楽やホールの響きなど、子どもなりに刺激を受けたのでは」などの感想が聞かれた。
黒川さんは「今後もこのような機会を用意することができるよう、引き続き検討を続けていきたい」と話す。