企画展「和菓子でめぐる 春夏秋冬展」が現在、赤坂の老舗和菓子店「とらや 赤坂店」（港区赤坂4、TEL 03-3408-2331）地下1階の「虎屋 赤坂ギャラリー」で行われている。

季節ごとに生菓子の画像を立体パネルで展示する会場の様子

　同展では、とらやが季節に合わせて販売する和菓子の中から約200点の生菓子を選び、季節ごとに画像を立体パネルで展示する。年中行事にまつわる「かしわ餅」や「おはぎ」などの由来も紹介。壁面に掲出する江戸時代の浮世絵師・川又常行が描いた「年中行事絵巻」の一部も見ることができる。

　会場の中央では、当時の原材料が分かる貴重な資料でもある、江戸時代の1707年に作られたとらやの菓子見本帳「御菓子之畫圖（おかしのえず）」の一部を複製した冊子を展示。来場者は実際にめくって見ることができる。菓子見本帳は菓子の絵図と菓銘を記したデザイン帳のようなもので、現在の商品カタログに当たり、菓子の意匠を現在に伝える貴重な史料として保管されている。

　このほか、会場の入り口にはパネル展示する生菓子から好きな菓子が投票できるQRコードを設け、一定期間ごとに投票結果を発表している。

　とらや広報担当者の李思路さんは「とらやでも限られた店で販売している生菓子。季節の移り変わりに合わせて店頭に並ぶが、多くは半月ごとに入れ替わり、一度に目にするのは5～6種類。1月から12月までの生菓子を一堂に並べ、紹介したいという思いから企画した。たくさんの華やかなデザインに目が行くが、それぞれに情緒ある菓銘が付いているので併せてお楽しみいただきたい」と話す。

　展示時間は9時30分～18時。休館日は、5月8日、5月31日～6月6日、7月6日、8月6日、9月6日。入場無料。9月10日まで。