国立劇場(千代田区隼町4、TEL 03-3265-7411)が9月から、劇場の建て替えに伴い「初代国立劇場さよなら公演」を行う。
1966(昭和41)年11月にオープンした同劇場。国立劇場によると「2023年10月末の閉場後、民間資金を活用したPFI事業として、建て替えにより劇場の再整備を行うとともに、民間の活力を取り入れ、情報発信やにぎわいを創出する文化観光拠点としての機能強化を図っていく」という。再開場は2029年秋を目指す。
9月3日から、小劇場では「令和4年9月文楽公演」(一般=6,000円~、学生=4,200円~)を行う。「第一部」は「碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)」、「第二部」は「寿柱立万歳(ことぶきはしらだてまんざい)」「碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)」、「第三部」は「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」を上演。同23日は、大劇場で「令和4年9月舞踊公演」の「舞踊名作集I」(一般=3,500円~、学生=2,500円~)を上演する。
10月1日には、大劇場で「令和4年10月歌舞伎公演『通し狂言 義経千本桜』」(一般=3,500円~、学生2,500円~)が始まる。主要3役の「知盛」「権太」「忠信」は歌舞伎役者の尾上菊之助さんが演じる。
さよなら公演後、建て替えまでの期間、日本芸術文化振興会が制作・主催する歌舞伎や文楽、落語などの公演は別の劇場で続ける。
同劇場制作部宣伝課の三浦毎生さんは「歌舞伎・文楽をはじめ、舞踊や邦楽、雅楽や民俗芸能など、これまで当劇場で上演してきたあらゆるジャンルで、初代国立劇場の集大成ともいえる公演を上演していく。57年の歩みを振り返る特別企画もウェブなどで展開していくので期待してほしい。何よりも、伝統芸能を守り続けてきた初代国立劇場の建物そのものを目に焼き付けてもらいたいと思っているので、この機会に半蔵門まで足を運んでほしい」と話す。