国立演芸場に新緞帳「赤富士」-披露記念に落語界重鎮が出席

北斎の「赤富士」を新しい「顔」として披露している国立演芸場。

北斎の「赤富士」を新しい「顔」として披露している国立演芸場。

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 開場30周年を迎えた国立演芸場(千代田区隼町4)が、30周年記念として新しい緞帳(どんちょう)を披露している。緞帳を寄与したのは三井住友カード。

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 緞帳の絵柄は、江戸時代に活躍した浮世絵師、葛飾北斎の版画「凱風快晴(がいふうかいせい)」。「凱風快晴」は北斎の代表作で、浮世絵版画の最高傑作である「冨嶽三十六景」に登場する通称「赤富士」と呼ばれる名作。南から吹く穏やかな風「凱風」と、風にたなびく雲、朝焼けに染まった霊峰富士の姿を簡潔にかつ威風堂々と描いており、国内のみならず世界中の人々から高い人気を集めている。

 「名高い作品が、より絢爛(けんらん)豪華な姿となって演芸場の新しい『顔』になった。緞帳の制作には、丹念に染めた糸を職人が手仕事によってつづり合わせる、綴錦織(つづれにしきおり)と呼ばれる技法が用いられている」と国立演芸場営業課の奥秋さん。綴錦織の歴史は古く、天平時代の正倉院に収蔵された美術品にもこの技法は存在することから、「ヨーロッパのゴブラン織り同様、日本屈指の最高級美術工芸品」とも。

 同演芸場の9月定席公演には、開場30周年記念と新緞帳披露記念として、落語界の大御所が登場。落語協会と落語芸術協会の協力により、特別公演が実現した。「現在公演中の上席には桂米丸、春風亭小柳枝といった重鎮が出演し、記念公演を盛り上げている。落語のほかにも奇術や漫談などさまざまな演芸を気軽に楽しむことができる。緞帳も公演も見応え十分」(奥秋さん)。

 9月11日~から20日に行う中席には、林家木久扇さんや三遊亭金馬さんらが出演する。

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