国立演芸場(千代田区隼町4)が今年4月に開場30周年を迎え、その記念の一環として初心者向け園芸資料展「落語入門」を7月2日から開催する。
同演芸場は、1979(昭和54)年に国立劇場敷地内に開場した初の国立の演芸場。客席数300席で、落語、漫才、講談、浪曲、マジックなど大衆芸能全般を公演。落語中心に演目を構成する寄席が多い中、同演芸場は演芸全般を幅広く提供することを使命としている。
毎月1回開催する「花形演芸会」は、若手芸人の登竜門的な公演。年に1度行われる「花形演芸スペシャル」では有力芸人に賞を授与し、これまでに爆笑問題、柳家花緑さん、春風亭昇太さんなどが受賞してきた。1992年からは立川談志さんが「ひとり会」を行うなど、名人芸を堪能できる会場としても知られている。
現在、開場30周年を記念してさまざまな公演や展示を開催中。7月2日からは、同館1階の資料展示室で演芸資料展「落語入門」が始まる。寄席で古くから行われてきた演芸と落語に焦点を当て、国立劇場所蔵の古い資料なども紹介。落語初心者も親しめる内容で入場は無料。「国立演芸場と縁のある演芸家などの資料を展示することで、皆さまにより親しんでいただきたい」と運営元の日本芸術文化振興会の広報担当者。落語入門展は9月23日まで。
演芸関連以外の展示にも積極的で、国立演芸場隣接の伝統芸能情報館では、現在、企画展示「歌舞伎の音楽 入門篇」を開催。8月1日には、講座「黒御簾音楽の魅力」が行われ、歌舞伎の下座音楽である黒御簾音楽について、映画や実演を交えて紹介する。