ホテルニューオータニ（千代田区紀尾井町4）が9月1日、施設内の日本庭園のライトアップをリニューアルした。

　同ホテルは、1964（昭和39）年に開催された東京五輪の際、当時東京都内に不足していた宿泊施設の増設のため開業。今月1日には開業50周年を迎え、今回の庭園の夜間照明のリニューアルも、これを記念して実施した。

　同庭園は400年以上の歴史を誇るもので、過去には加藤清正の下屋敷、彦根藩井伊家の中屋敷、伏見宮邸が建てられていたとされている。日本庭園の敷地面積は約1万坪。

　今回のリニューアルでは、庭園内の6エリアにライトアップによる宿泊客への「おもてなし演出」を導入。これに加え、電球を全て従来の水銀灯やハロゲンスポットからLED照明に変更することにより、消費電力量の約70％削減に成功した。

　リニューアルの監修を務めたのは、東京タワーやレインボーブリッジなどのライトアップを手掛けている照明デザイナーの石井幹子さん。石井さんはこれまでも、同ホテル内の大宴会場「鶴の間」「芙蓉の間」のシャンデリア、開業25周年の際の外観照明も手掛けている。

　点灯式に出席した石井さんは「庭園ライトアップのテーマは『おもてなしの光』。歴史あるこの庭園で日本の灯りの文化を十分に表現できるよう、単に光をちりばめるだけでなく、光と影といった陰影のグラデーション、そして四季折々の演出にも力を入れた。ホテルを訪れる諸外国のお客さまに、ぜひこの歴史ある日本庭園を見ていただきたい」と話した。

　ライトアップ時間は、3～5月中旬と9月～10月末＝17時45分～、5月～8月末＝18時15分～と11月～3月中旬＝16時30分～。終了時間は24時。