博報堂(港区赤坂5)は7月1日、「生活者共創型コミュニティメディア」を運営する会社「VoiceVision(ヴォイスヴィジョン)」を新たに設立した。
これまで数多くの企業向けマーケティングサービスを開発してきた同社。今日ではソーシャルメディアの普及に伴った生活者の情報発信力の強化を背景に、生活者との対話で「共創」しながら進めるマーケティング活動にも力を入れている。
同社では2011年10月に生活者共創型の未来創りコミュニティ「VoiceVisionβ版」の提供を開始。生活者と共に考え、社会的なアクションを共創することを目標にしたオープンプラットフォームとして運営してきたが、同サービスをクライアント企業に向けて本格的に提供を開始する体制が整ったため、独立した事業会社を立ち上げることとなった。
今回設立した新会社VoiceVisionでは、オンライン上で誰もが参加、閲覧できるオープンコミュニティを設け、リサーチや商品開発、プロモーションまでを一通り実現することのできるフレームワークを提供。コミュニティ内では設けられたテーマを基に参加者が意見を出し合い、これにファシリテーターが一つひとつ返答しながら取りまとめる。「議題にあげるテーマの設定は参加してくださる方の意見を引き出すのに重要。内容次第で発言へのハードルが高くなってしまうこともある」とVoiceVision代表取締役でありファシリテーターの大高香世さんは話す。
「オンライン上でのやりとりが中心になるため、限られたチャンスの中でひとりひとりの潜在的な価値感を引き出し、それらの声を丁寧に読み解き解釈して、新たなアイディアを生み出せるかがポイント。当社の強みは独自にトレーニングを積んだファシリテーターがこれを実践するという点にある」と大高さん。「最終的にはCSV(Creating Shared Value)と呼ばれている『共有価値創造』を目指しながら、生活者と企業とがオープンな関係で『共創』できるビジネス形態を構築していきたい」とも。