赤坂見附のグランドプリンスホテル赤坂(千代田区紀尾井町1)が3月31日、55年の歴史に幕を閉じた。
同ホテルは1955年10月1日に開業。バブル時代には「赤プリ」と呼ばれトレンディスポットとなったが、建物の老朽化を理由に閉館を決めた。閉館後は敷地内にある複数の施設のうち、歴史的価値が高い旧館(旧李王家邸)を残し、それ以外の施設を解体。ホテルや商業・業務施設からなる複合棟と、住宅・商業施設で構成する住宅棟の超高層ビル2棟を建設するという。
閉館に際して行われたセレモニーでは、同ホテル総支配人の松下学さんが「多くの方から閉館を惜しむ声を頂き、長年の営業を通じて、自分たちはお客様に育てられてきたのだと実感している」と挨拶。その後、およそ3千通を超える利用者からのメッセージが詰まったタイムカプセル「赤プリメッセージボックス」に鍵をかけた。
また、同ホテルは取り壊しが行われる7月までの3か月間、東日本大震災による福島県の被災者受け入れ施設となることが決まっている。
「最後に被災者支援という形でご奉公できるのは嬉しい。同館のスタッフは全国に散らばってしまうが、今後も変わらぬご愛顧を頂ければ」と松下さん。