赤坂bizタワー前に3月14日、イタリアンレストラン「Specialita’di carne -CHICCIANO- (キッチャーノ)」(港区赤坂3、TEL 03-3568-1129)がオープンした。経営はアペックス(千代田区)。
店舗面積35坪、席数は30席。店内には、イタリアから直輸入した生ハムのスライサーを設置。切りたてのものをその場ですぐに提供する。ハーフオープンのキッチンには、ローストチキン、子豚の丸焼き等を調理するフランス製のロティサリーマシンなども置く。「目でも楽しんでもらえれば」と同社の礒堅一さん。
「メニューのない店」として、その日に仕入れた食材次第で料理を提供するのが同店の特徴。料理長の山縣類さんは、「これまで材料にこだわって料理を作ってきた。メニューに書いてしまうと、おいしいものが仕入れられなくても提供しなくてはいけない。調理人の立場からすると、その日のおいしいものだけをお客さまに届けたい」と話す。山縣さんは、三ツ星シェフのポール・ボキューズ、ルイ・ウーティエさんに師事、「パスタの神様」と称されたアンジェロ・パラクッキさんよりイタリア料理を学んだ経歴を持つ。
ディナーメニューは、コースのみ。その日おすすめの肉をグラムと値段で提示する。「松坂牛イチボ肉の炭火焼」(200グラム、12,000円)や、「メキシコ産牛ロース(アンガス牛)の炭火焼」(300グラム、7,000円)などがそろう。生ハムの盛合せ、前菜、パスタ、メーンの肉料理、デザート2種、食後酒、コーヒーが付き「肉の値段=コースの値段」となる。ランチは、自家製生パスタを含む3種類のパスタ、あるいは日替わり肉料理(数量限定)を選ぶ1,200円のセットなどを用意。すべてのセットには、その場で切り落とす生ハムが付く。
オープン直前に震災が発生し、「正直な話、店を開ければ開けるほど赤字になる状態」と礒堅さん。「おいしい物を食べることや、会社の同僚や友人と食卓を囲むことで、安らぎや喜びを感じていただければ店を開けている意味があると思う。こんな時期に外食は不謹慎という風潮が広まると、当店のみでなく多くの赤坂の飲食店が危機的状況になるのではと危惧している。原発問題や電力不足による電車の不安定さから帰宅を急がれる方も多いと思うが、これらが解決していく中で徐々にでも飲食店に足を運んでくださる方が増えるよう努力していきたい」とも。
営業時間は、11時30分~14時30分(平日のみ)、18時~23時。日曜定休。