東北地方を中心に甚大な被害を及ぼした東日本大震災。首都圏に直接の被害は少なかったとはいえ、交通網の混乱や計画停電など、赤坂にもその影響は表れている。
そうしたなか、赤坂の街で夜間に飲食店を利用する人が消えつつある。特に、赤坂は個人経営の店が多いこともあり、日々の売り上げが店舗の経営を直接左右する。そのため、このまま利用客が減り続けると、非常に厳しい状況に追い込まれかねない。
赤坂通り沿いの中華料理店「うずまき」(港区赤坂5、TEL 03-3584-2116)の店主・大沼靖さんは、「震災以来、夜の予約はほとんどがキャンセルとなっている。これからの時期は企業の歓送迎会などが増えるシーズンだが、この状況が続くようならそうした利用も見込めないだろう」と話す。
同店は座席数25席という個人店。系列店に頼ることができるチェーン店とは違い、「日々の利用者を確保していかなければ非常に辛い立場」と大沼さん。「自分が見聞きした限りでは、周辺の飲食店はどこも似たような状況と聞いている」とも。
しかし、首都圏の混乱が落ち着くまで店を閉めるという選択肢は「考えていない」という。
「赤坂の人は個人店の方が好きだし、自分もチェーン店よりそういった店の方が面白いと思う。だから、赤坂で今までやって来れた。お客さんのためにも、どんなときも常に店を開けているということが重要。世間は緊張感がどんどん高まっているが、ご飯を食べているときくらいは、息抜きができる場を提供したい。今後も変わらず店を開けていけるよう努力を続けていくので、ぜひ足を向けて欲しい。お客さんが少しでも来てくれることで、自分たちもやっててよかったと思える」(大沼さん)
営業時間は、ランチが11時30分~14時。ディナーの営業は18時から行っているが、しばらくの間、閉店時間はその日の状況によって判断していくという。